写真で見る私たちの世界の驚異

Heaven and Hell

メルスィンの「天国」と「地獄」の陥没穴を紹介。450段の階段、5世紀の洞窟教会、訪問前に確認したい情報を解説します。

座標: 36.4525869, 34.1055939 更新日: 2026-10-01 Google ストリートビュー

について Heaven and Hell

地層の崩落が生んだ景観

トルコの地中海沿岸、ナルルクユ近郊では、石灰岩の景観に二つの大きな陥没穴が開いています。トルコ語名のジェンネットとジェハンネムは「天国」と「地獄」を意味します。文化観光省によれば、地下水が長い時間をかけて石灰岩を溶かし、水が流れ出た後に弱くなった天井が崩落して形成されました。規模の大きな二つの窪地と異なる見学方法が、地質への関心と神話を結びつけています。

文化省の公式案内は、シリフケ中心部から約25キロ、古代ナルルクユ港の北西約2キロ、コリコス(現在のクズカレシ)の西約5キロに位置するとしています。メルスィン沿岸の文化遺産を巡る旅に組み込めますが、運転経路や地域の交通を事前に確認しましょう。便利な公共交通があると決めつけないことが大切です。

ジェンネットのほうが内部へ下りやすい見学地です。文化省は開口部を約250メートル×110メートル、深さを約70メートルと説明しています。約450段の階段を下りると底部と大きな洞窟の入口に近づけます。この数字は単なる豆知識ではありません。登り返しは体力を使うため、同行者の移動能力、暑さ、安全に戻るための時間を考慮してください。

洞窟教会と縁に建つ神殿

ジェンネットの洞窟入口には、聖母マリア教会と呼ばれる小さな建物があります。文化省は紀元5世紀の建築とし、切石を使った東西向きの長方形の建物と説明します。入口の碑文は、パウルスという敬虔な人物がマリアに捧げて建てたと伝えています。入口、後陣、側室からは、町の広場ではなく洞窟の地形に聖所が組み込まれた様子がうかがえます。

同じ公式案内は、イエスと使徒を描いた壁画の痕跡にも触れています。これは現代の復元物ではなく、陥没穴の内部に残る考古学的・宗教的な遺構です。触れたり柵を越えたりせず、保護された状態で見学してください。洞窟は小さな教会の奥まで続き、自然地形と後世の人々の利用が重なり合うことを実感できます。

ジェンネットの南側の縁にはゼウス神殿があります。文化省によると、最初の段階はヘレニズム時代にさかのぼり、キリスト教時代には神殿が教会に転用されました。また、ヘレニズム期とローマ期に務めた約130人の祭司の名が、現在は元の位置にない石材に刻まれていると紹介されています。こうした重層性から、陥没穴は地質景観であると同時に、宗教実践の場だったことが分かります。

なぜ一方は「天国」、もう一方は「地獄」なのか

二つの地形は大きさも見学方法も異なります。ジェハンネムはジェンネットから北へ約75メートルの位置にあり、開口部は約75メートル×50メートル、文化省が示す深さは約128メートルです。縁が内側へ張り出しているため、一般の見学者は通常の通路から底へ下りられません。一方は長い階段で洞窟と史跡に近づけますが、もう一方は上から眺めます。

ジェハンネムという名は、公式の紹介に記されたギリシャ神話と結びついています。ゼウスは火を吹く百頭の怪物テュポンを倒し、エトナ山の下に永遠に封じる前、しばらくこの深い穴に閉じ込めたといいます。これは神話上の由来であって、陥没穴ができた地質学的な説明ではありません。両者を区別すれば、物語を楽しみながら科学的事実と混同せずにすみます。

指定された安全な展望場所から見学し、縁を登ったり、許可されていない場所から下りたりしないでください。落差は大きく、地面が不安定なこともあります。ジェンネットの階段にも注意が必要です。滑りにくい靴を履き、帰りの登りでは休憩を取りましょう。暑さや体調のため安全に戻れないおそれがあるなら、底まで下りるのは避けてください。

入場料、開館時間と海岸の旅程

トルコ文化省の料金表はMüzeKartが利用できるとし、外国人の大人料金を現在12ユーロと掲載しています。料金やカードの条件は変更されることがあります。電子チケットの案内は、入場券またはカードを窓口で購入するよう説明しています。古いブログや転載された旅程ではなく、出発前に省の最新料金を確認してください。

開館時間は季節によって変わります。文化省の告知では、対象施設の2026年観光シーズン延長時間は5月1日から10月1日まででした。10月下旬の訪問ではこの期間が過ぎています。電子チケットの公式ページだけでは日付ごとの現在の時間が分からないため、シリフケ博物館管理局に直接確認しましょう。過年度の夏時間が続いていると想定しないでください。

二つの陥没穴、教会、ゼウス神殿を見学できる時間を確保し、ナルルクユやクズカレシと組み合わせる場合は移動時間を確認してから決めましょう。水と日よけを用意し、450段の階段が同行者全員に適しているか考えてください。地質、宗教史、神話を一つの景観に重なる別々の層として読むと、見学が深まります。それぞれ魅力的ですが、互いの代わりにはなりません。