マリ東部ガオのアスキアの墓は15世紀末に築かれ、一般にソンガイ帝国の君主アスキア・ムハンマド1世の墓とされる。ガオが帝国の首都となり、イスラムが国家と社会の重要な基盤になった時代の記念物である。高さ約17メートルのピラミッド状土塔、平屋根の二つのモスク、墓地、屋外集会場が一体となり、現在も宗教と地域社会に関わる場所である。
建物はサヘルの土、木材、伝統技術で造られた。壁面から突き出す木材は構造の一部であると同時に、定期的な塗り直しの足場になる。雨季の浸食で土壁は消耗するため、職人と住民による反復的な補修は「原形」を損なう行為ではなく、生きた遺産を維持する仕組みである。ユネスコは西アフリカの記念碑的土造伝統の重要例として、2004年に世界遺産へ登録した。