カカドゥ国立公園は、オーストラリア北部準州のダーウィン南東に広がる大規模な保護地域です。しかし、広さだけではこの場所の意味を語りきれません。ここは、伝統的な土地の守り手であるビニンジとムングイの人々にとって、現在も文化が息づく故郷です。家族は幾世代にもわたってこの土地を守ってきました。公園を管理するオーストラリア政府機関は、先住民がこの地域で暮らしてきた歴史を6万5000年以上前にさかのぼると説明しています。公園北部の先住民はビニンジ、南部の人々はムングイと呼ばれます。これは観光用の呼称ではなく、今も続く共同体、言語、土地への責任を示す言葉です。
カカドゥは共同管理されています。伝統的所有者は土地を国立公園局長に貸し出し、ビニンジ/ムングイの知識とオーストラリアの公的な行政を組み合わせて運営しています。全体方針を担う公園管理委員会では、先住民が多数を占めます。訪問者にとっても、この仕組みを知ることは大切です。公園内の場所は、ただ眺めるための風景ではありません。聖地、儀礼の場、墓地、居住区域などがあり、伝統的な守り手の要請で急きょ閉鎖されることもあります。標識やプライバシー、撮影に関する案内を尊重することが、責任ある訪問につながります。