ティドレは、インドネシア北マルク州のハルマヘラ島西方にそびえる火山島である。隣のテルナテと並ぶクローブ交易の中心地で、ハルマヘラやパプアの一部まで影響を及ぼすスルタン国の本拠だった。歴史は欧州勢力の到来から始まるのではない。現地の君主、商人、海洋共同体が自ら同盟を築き、外部の権力と争った。
16世紀、ポルトガルとスペインの遠征隊は、すでに競争関係にあった地域へ入った。マゼラン=エルカーノ遠征の生存者は1521年にティドレへ到達し、後にスペインもモルッカ諸島に拠点を持った。要塞と外交はティドレ、テルナテ、欧州諸国の変化する対立を伝える。18世紀末にはスルタン・ヌクがオランダ拡大への大規模な抵抗を率いた。