スール北方の海岸を見下ろすビビ・マリアム廟は、港湾都市カルハットの遺跡で最も目を引く建造物だ。崩れたドームと風化した壁は孤立した廃墟ではなく、オマーンとインド洋の港々を結んだ中世都市の一部である。カルハットはホルムズ王国の重要な拠点として、アラビア、ペルシャ、インド、東アフリカの間を行き来する商人、外交使節、旅行者を迎えた。
オマーンの公式観光情報は建物を14世紀初頭のものとし、ビビ・マリアムと、その夫でホルムズの支配者・カルハット総督だったバハ・アルディン・アヤズに関連づける。彼女が夫のために建てたのか、二人とも埋葬されたのか、そもそも本来の用途を「廟」と呼べるのかについては資料が一致しない。確かなのは、かつてドームを頂いた立方体の建物で、サンゴ石と石灰岩を積み、しっくいを施し、青い施釉タイルで飾っていたことだ。