ドミニカの険しい内陸部に広がるモーン・トロワ・ピトン国立公園には、熱帯雨林、急な火山斜面、蒸気を上げる地熱地帯が一つの保護景観として集まっている。面積は6,857ヘクタールで、島の陸地のおよそ9%を占める。名称は標高1,342メートルの火山峰に由来する。ユネスコは地質と生物多様性の珍しい組み合わせを評価し、1997年に世界遺産に登録した。ひとつの展望台や車で通り抜ける観光地ではなく、短時間で立ち寄れる場所から十分な準備が要る登山道までを含む広大な山岳地域だ。
公園の地質は中央の山だけにとどまらない。ユネスコは五つの火山中心、深い谷、温泉、噴気孔、泥の池、複数の淡水湖を挙げている。ボエリ湖とフレッシュウォーター湖はよく知られ、高地から流れ下る水は滝をつくり、島の各地へ向かう川の源となる。荒廃の谷(Valley of Desolation)は、色の異なる流れ、沸き立つ泥、蒸気によって、森の下で進む地熱活動を目にできる場所だ。観光用に作られた演出ではなく、変化を続ける火山システムの一部である。