について エンゲルスバーリ製鉄所
エンゲルスベリ製鉄所――スウェーデン鉄産業を伝える完全な工業集落
エンゲルスベリ製鉄所(Engelsbergs bruk)は、スウェーデン中部ヴェストマンランド県ファーゲシュタ市のÄngelsbergにある。1993年にユネスコ世界遺産へ登録され、伝統的なスウェーデン製鉄所領を最も完全に残す例の一つだ。高炉や鍛冶設備だけでなく、管理棟、労働者住宅、農場、水力システムまでまとまっている。
中世の採鉱から1681年の高炉へ
地域では中世から農業の補完として採鉱と製錬が行われ、16世紀末には鍛冶場が稼働した。1681年、Per Larsson Gyllenhöökが銑鉄生産用の高炉を建設。ベルグスラーゲンの鉱石、森林の木炭、水車動力を組み合わせた生産が、スウェーデンを約2世紀にわたり欧州の高品質鉄供給国へ押し上げた。
現在の高炉は1778~79年に築かれ、鉱石破砕機と大規模な木炭庫を伴う。1836年の送風機で生産性が向上し、1848年にはガス燃焼式焙焼炉が加わった。鍛冶場は1850年代にフランス式炉床へ改装されたが、近代工業との競争が難しくなり1919年に旧来の操業を終えた。
50棟以上が残る生活共同体
製錬施設、事務所、監督官宅、鍛冶職人の家、馬車庫、厩舎、醸造所、庭師宅、1872年の鉱滓石造納屋など、50棟以上が保存される。製鉄所が工業設備であると同時に、労働、住居、農業を組織した共同体だったことが分かる。
2026年のガイドツアー
敷地は1916年から私有地である。公式案内では2026年の通常ツアー期は終了し、9~10月は貸切見学を相談できる。通常ツアーは2027年5月に再開予定。掲載料金は100スウェーデン・クローナで12歳未満無料、定員が限られるため事前予約と支払いが勧められている。
ガイドなしで見られる範囲
ツアーがない時も許可された屋外を歩き、高炉を外から見学できるが、鍛冶場内部はガイドツアー時だけ開く。敷地の多くは私有区域なので、柵と標識を守り、閉鎖建物へ入らない。世界遺産だから全施設が通年公開されるわけではなく、専用に旅行する場合は公式日程を確認したい。