について レッドベイのバスク人捕鯨基地
カナダ・ラブラドルのレッドベイ――バスク捕鯨基地と水中考古遺産
レッドベイはカナダ北東部ラブラドル、ベルアイル海峡沿岸の小さな漁村で、アメリカ大陸屈指の海洋考古遺跡を擁する。16世紀、スペインとフランスのバスク地方から来た船乗りたちは、この天然の良港に季節的な捕鯨基地を築き、鯨油を生産してヨーロッパへ輸出した。
およそ1550年から1620年にかけて、バスク人がグラン・バヤまたはバレア・バヤと呼んだ港には、毎夏、船団と数百人の労働者が到着した。サドル島沿岸には脂を煮る炉、樽工房、桟橋、仮住居、墓地が残る。海底からは複数のガレオン船と捕鯨用小舟チャルーパが発見され、1565年に嵐で沈んだサン・フアン号は代表的な成果である。
セルマ・バークハムによる文書調査と、1970年代からの陸上・水中発掘によって、初期の大西洋横断産業の全体像が明らかになった。1979年にカナダ国定史跡となり、2013年には「レッドベイのバスク人捕鯨基地」としてユネスコ世界遺産に登録された。前工業時代の欧州捕鯨を最も完全に伝える点が評価されている。
見学はパークス・カナダのビジターセンターから始まり、復元チャルーパや出土品を見られる。通常6月から9月または10月初旬の開場期には、サドル島への短い船便やガイドツアーが行われるが、予約制や天候中止もある。正確な日程・料金は公式サイトで確認が必要。ラブラドルの天候は変わりやすいため、防水着と歩きやすい靴、余裕ある旅程を用意したい。