について 河回村
河回村――洛東江に抱かれた朝鮮王朝の氏族集落
河回村(韓国語:안동하회마을)は、韓国・慶尚北道安東市にある朝鮮王朝時代の歴史的集落である。「河」は川、「回」は巡ることを意味し、洛東江が村を大きく回り込む地形を地名が表している。
山と川を生かした立地
村の北には芙蓉台の断崖、南には南山があり、川と開けた農地が集落を囲む。配置は韓国の伝統的な風水思想に基づき、蓮の花、または二つの勾玉がかみ合う形にたとえられる。周囲の自然は生活資源を与えるだけでなく、儒教文化が重んじた精神的景観でもあった。
氏族社会を映す建築
河回村は一つの氏族が長く暮らす集落として発展した。宗家の邸宅、ほかの一族の木造住宅、亭、書堂、儒教教育施設に加え、かつて庶民が住んだ土壁・茅葺きの平屋も残る。建物の規模、素材、配置は朝鮮王朝期の社会構造を示す。
価値は建築だけに限られない。伝統儀礼、民俗芸能、古い書物、氏族の記憶が村の文化を形づくり、朝鮮時代の日常生活と思想秩序を読み取る手掛かりとなっている。
14~15世紀から続く村
ユネスコは河回と良洞を、韓国を代表する歴史的氏族集落と位置づける。両村は14~15世紀に成立し、18~19世紀に現在に近い規模へ広がった。立地、住宅、公共空間には、朝鮮王朝初期の両班儒教文化の影響が表れている。
良洞村とともに世界遺産へ
2010年、河回村は良洞村とともに「韓国の歴史的集落群:河回と良洞」として世界遺産に登録された。河回だけの単独登録ではなく、二つの集落を一体として評価した遺産である。
暮らしが続く村を訪ねる
河回は無人の野外博物館ではなく、人々が生活する場所である。住民の私生活を尊重し、非公開の住宅へ入らず、文化行事と建築保護の規則に従いたい。公開区域、交通、公演予定は変わるため、安東市と遺産管理機関の公式情報を確認する必要がある。