について 都江堰
都江堰―二千年以上働き続ける無堰式の水利システム
都江堰は、中国四川省の都江堰市にある古代の灌漑施設です。秦が紀元前256年ごろ、農地への給水と洪水防止を目的に建設しました。二千年以上を経た現在も利用されています。
四川盆地とチベット高原の境界
施設は、長江最長の支流である岷江に築かれ、成都平原西部の四川盆地とチベット高原が接する地域にあります。岷山から急流となって下る川は、成都平原に入ると急に流れが緩み、河床に土砂がたまって周辺を洪水にさらしていました。
李冰親子が考案したダムに頼らない治水
秦の蜀郡太守だった李冰とその息子が工事を指揮しました。川を大きなダムで完全にせき止めるのではなく、水を分けて導き、土砂を排出し、流量を調整する仕組みをつくりました。自然の地形と水理を活用した設計です。
都江堰は現在も灌漑と治水の役割を担っています。ユネスコの資料によると、現在は成都平原の約66万8700ヘクタールの農地に水を供給しています。
秦の三大水利事業
都江堰は、陝西省の鄭国渠、広西チワン族自治区の霊渠とともに「秦の三大水利事業」と呼ばれます。長期にわたり機能を保ち、川を完全に遮断せず分水と制御を実現する点が、都江堰の大きな特徴です。