ラ・ケマダ遺跡は、サカテカス州ビリャヌエバ市のマルパソ渓谷にある丘の上に位置し、サカテカス市から南東へ約56キロ離れている。地形は遺跡の背景にとどまらない。築いた人々は斜面を生かし、広場やテラス、通路、祭祀・居住・行政の空間を配置した。メキシコ中部の古代都市に見られる規則的な街路配置とは異なり、ここでは丘を上り下りしながら集落の構成を読み取ることになる。
「ラ・ケマダ」という名は、近くにあった焼失したアシエンダ(大農園)に由来すると一般に説明されるが、メキシコ国立人類学歴史学研究所(INAH)は断定を避けている。また、メシカ人の移住伝承に登場する伝説の地チコモストクと結び付けて語られることもある。しかし、その伝承上の場所がこの古代都市だったと証明されたわけではない。INAHは遺跡の起源を未解明としており、案内標識に「チコモストク遺跡」とあっても確定的な根拠とはみなせない。