ガーナのアシャンティ州、クマシ近郊に点在するアシャンティの伝統的建築物群は、一つの博物館でも、使われなくなった遺跡の集まりでもない。複数の共同体に広がる十の聖堂であり、建築、信仰の実践、地域の守り手が今も結びついている。ユネスコは1980年、18世紀に最盛期を迎えたアシャンティ王国の独自の建築文化を伝える最後の重要な物的証拠として登録した。一般的な史跡とは異なる心構えで訪れたい。建物は大規模ではなく、地域に分散し、いくつかは現在も宗教的に使われる神聖な場所だ。価値は古さだけでなく、受け継がれる知識、象徴、共同体との関係にもある。
世界遺産にはAbirim、Asawase、Asenemaso、Bodwease、Ejisu Besease、Adarko Jachie、Edwenase、Kentinkrono、Patakro、Saamanの聖堂が含まれる。多くはクマシの北東にあり、Patakroは南方、Obuasiの近くに位置する。ガーナ博物館・記念物委員会(GMMB)は各共同体やクマシからの概算距離を案内しているが、地域で使われる呼び名と公式記録の表記が異なる場合もある。一つの入口からまとまって巡る観光地ではなく、地域をめぐる旅程として考えたい。出発前に、訪問可能な聖堂と行き方を確認し、とくに地元ガイドがいない場合は事前に問い合わせよう。