ペルー北部の海岸、現代の都市トルヒーヨと太平洋の間に広がるモチェ渓谷に、チムー国家の都チャン・チャンがあります。その規模は石造の塔ではなく、土で築かれた城壁や中庭、建築群に表れています。ユネスコはチャン・チャンを、コロンブス到来以前のアメリカ大陸で最大の土造建築都市と紹介しています。現地を歩くと、道路、囲壁、水の管理、浮彫の装飾が人の移動や暮らしを形づくった、計画的な都市景観が見えてきます。
立地に目を向けると、この都市の重要性が分かります。モチェ渓谷は水と農地を慎重に管理する必要がある沿岸環境でした。ユネスコは、工業、農業、水利の各システムの遺構をチャン・チャンの価値の一部に挙げています。考古学プロジェクトの公式説明によれば、遺跡は海に面した渓谷の、トルヒーヨとワンチャコの間に位置します。周囲の風景は単なる背景ではなく、チムーの都が政治や経済を組織した世界の一部でした。