ムンバイのヴィクトリアン・ゴシックとアール・デコの建築群は、オーバル・マイダンを挟んで都市の一世紀の変化を語る。東側には1860年代のボンベイ城壁撤去後に建てられた19世紀の公共建築、西側には20世紀初頭の埋め立て拡張に伴うアール・デコの住宅、商業施設、映画館が並ぶ。ユネスコは2018年、この向かい合う景観を一つの世界遺産に登録した。
ヴィクトリア朝建築は尖塔、尖頭アーチ、塔、多彩な石材を使いながら、バルコニーやベランダなどインドの気候に適した要素を取り入れた。高等裁判所、ムンバイ大学、ラジャバイ時計塔が代表例。一方のアール・デコは流線、丸い角、幾何学レリーフ、熱帯モチーフが特徴で、インドの意匠との融合は「インド・デコ」と呼ばれ、マリン・ドライブにも続く。