メスカルティタン・デ・ウリベは、メキシコのナヤリット州北西岸、メスカルティタン潟湖に浮かぶ小さな島の集落で、サンティアゴ・イスクイントラ市に属する。島は周囲約1キロ、直径約400メートル、20街区ほどだが、漁村の生活、宗教建築、19~20世紀の公共建築がまとまって残る。雨季に低い道路へ水が入り、小舟で移動できることから「メキシコのベネチア」と呼ばれてきた。
地名はナワトル語のmexcalliとtitlánに由来し、メスカルまたは豊かさに結び付く。1960年代には、ここをメシカの伝説的故郷アストランとし、テノチティトランへの移動の出発点とみなす説が唱えられた。しかしメキシコ国立人類学歴史研究所は、その説が後に退けられたと明記している。「メキシコ人の発祥地」という観光上の表現は、確定した考古学的事実ではなく、近現代に育った地域の物語として読む必要がある。