モーリッツブルク城はドレスデン北方の池に浮かぶ島に建っていますが、物語の始まりは壮大な宮殿ではありません。1542年、ザクセン公モーリッツは、獲物の多いフリーデヴァルトの森にある花崗岩の丘に、ルネサンス様式の狩猟用の館を建てるよう命じました。館は宮廷の狩猟や集まりの拠点となり、後に公の名を取って呼ばれるようになります。現在の水辺、森、並木道、建築を通るアプローチも見どころです。城は孤立した記念建築ではなく、周囲の景観と一体になるよう構想されました。
狩猟には実用面と儀礼面の両方がありました。ザクセンの君主たちは周囲の森林や湿地を宮廷の狩猟に利用し、館では客人をもてなし、自らの地位を示しました。今日の景観につながる大改造は、ずっと後の「強王」アウグストの時代に行われます。ザクセン選帝侯でありポーランド王でもあった彼は、古い居館を宮廷の舞台へ変えようとしました。建築、収集品、狩猟文化、水面越しの眺めが互いに響き合い、宮廷の権力と趣味を表現する場となりました。