ヤズドの歴史地区は、乏しい資源と向き合う方法を築いた都市として捉えると理解しやすい。イラン中央部の砂漠で、土壁、日陰の路地、中庭、風採り塔、地下水路がつながり、単なる美しい景観ではなく都市の仕組みをつくる。ユネスコは2017年、集落と環境の長い関係を評価して登録した。旅行者にとっての魅力は、一つの門や必見の建物を訪ねることだけではない。日々の暮らし、気候、建築がどう結びついたかを少しずつ見つけることにある。
カナートはヤズドの物語の中心だ。緩やかな勾配を持つ地下水路が地下水を地区へ運び、乾燥地の露天水路で起きる蒸発を抑えた。ユネスコは巧みで複雑な水供給網が今も機能していると説明する。大邸宅だけでなく住宅、庭園、共同施設を結び、地区の形成にも影響した。旧市街を歩きながら、水源はどこか、誰が水路を維持し、どのように分配したのかを考えてみたい。