通度寺は韓国仏教を代表する山寺で、曹渓宗の本山の一つ。梁山近郊の霊鷲山麓にあり、伝承では新羅時代の646年に僧・慈蔵が創建した。2018年、ほかの6寺とともに「山寺、韓国の山地僧院」としてユネスコ世界遺産に登録され、7~9世紀に成立した信仰、修行、共同生活の伝統を今に伝える。
韓国の三宝寺刹のうち仏宝を象徴するが、中心の大雄殿には仏像がない。礼拝は、歴史上の釈迦に由来するとされる舎利を奉安した金剛戒壇へ向けられる。この意図的な不在が寺の理解の鍵だ。開放的な庭、木造仏殿、講堂、僧坊、山道が、礼拝、教育、僧侶の日常を一つの空間にまとめている。