について アジャンター石窟群
アジャンター石窟群――渓谷の岩壁に残る仏教美術の大画巻
インド西部マハーラーシュトラ州のアジャンター石窟群は、ワーゴーラー川が曲流する峡谷の玄武岩壁に彫り込まれている。ユネスコによれば、未完成のものを含む30窟からなり、造営には二つの主要期がある。前2~前1世紀の初期石窟と、グプタ朝期およびヴァーカータカ朝を背景とする5~6世紀の大規模な造営である。5窟は礼拝堂であるチャイティヤ窟、その他の多くは僧院のヴィハーラで、仏教の儀礼、修行、寄進文化の変化を伝える。
壁画、彫刻、ジャータカの物語
工匠は崖の表面から内部へ向かって柱廊、祠堂、僧房を削り出し、下地を施した壁に繊細な絵を描いた。仏陀の生涯と前世譚ジャータカ、宮廷の人物、旅人、自然を表す壁画は、信仰の対象であると同時に、古代インドの衣装、音楽、建築、社会を知る史料でもある。第9、10、19、26、29窟はチャイティヤ窟で、後期の洞窟には大型仏像と豊かな彫刻が見られる。1983年に世界遺産となり、現在はインド考古局が管理する。光、湿度、来訪者の集中から脆弱な壁画を守ることが重要な課題だ。
開場時間と旅の計画
公的な観光案内では通常9時から17時まで開場し、月曜は休場とされる。インド考古局の規則により日没時刻が閉場に影響する場合もあるため、直前に最新情報を確認したい。比較的涼しい11月から3月が訪問に適し、最寄りの主要な空港・鉄道拠点はチャトラパティ・サンバージーナガルで、道路距離は百キロ余り。洞窟は渓谷沿いに並び、階段と徒歩移動を含めて数時間を確保する必要がある。壁画保護のためフラッシュは禁止され、一部では撮影自体が制限されることもある。現地表示に従い、絵画や彫刻に触れず、水、日よけ、石段に適した靴を用意したい。