について ウム・アル=ラサス
ウム・アル=ラサス―ヨルダンの荒野に残るローマ、ビザンツ、初期イスラムの遺跡
ウム・アル=ラサス(アラビア語:أم الرصاص、別名Kastrom Mefa’a/Kastron Mefa’a)は、ヨルダン中部のマダバから南東へ約30キロメートルの場所にあります。半乾燥のステップ地帯に位置し、古代には「王の道」の支線から到達できました。『エレミヤ書』に登場するメファアの集落と結びつける説もありますが、これは考古学上の推定として扱う必要があります。
ローマ軍の駐屯地から多宗教の町へ
ローマ軍はこの場所を戦略的な駐屯地として利用しました。その後も集落は存続し、キリスト教徒と初期イスラムの共同体が暮らしました。3世紀末から9世紀にかけてのローマ、ビザンツ、初期イスラム各時代の遺構が、地域社会と宗教の変化を伝えています。
多くが地中に残る考古遺跡
エルサレムのフランシスコ会聖書研究所は、1986年に遺跡北部で発掘を行いました。しかし、ウム・アル=ラサスの大部分は現在も瓦礫や堆積物の下にあります。ローマ軍営、教会、モザイク床などが確認される一方、未発掘区域には今後の研究を待つ情報が残されています。
2004年の世界遺産登録
ウム・アル=ラサスは2004年にユネスコ世界遺産一覧表へ登録されました。複数の時代にまたがる遺構に加え、初期キリスト教、修道生活、一神教とイスラムの広がりを物語る場所として評価されています。見学時には公開範囲を守り、未発掘地や保護作業中の区域へ立ち入らない配慮が必要です。