について カホキア
カホキア墳丘群州立史跡は、米国イリノイ州コリンズビルにあり、ミシシッピ川の対岸にセントルイスを望む。西暦1050~1150年ごろ、ミシシッピ文化の政治、宗教、経済の中心として最盛期を迎えた。都市域は約1,600ヘクタール、人工墳丘は約120基に達し、人口は1万~2万人と推定される。メキシコ以北で最大の先コロンブス期集落だった。
都市の中心はグランド・プラザとモンクス・マウンドである。モンクス・マウンドは高さ約30メートル、面積約6ヘクタールで、メキシコ以北のアメリカ大陸最大の先史時代土塁建造物だ。段状の頂部には公共・儀礼施設が建っていた。ほかの墳丘は建物の基壇、埋葬、空間区分などに使われ、復元柵は中心域の構成を伝える。「ウッドヘンジ」と呼ばれる木柱環は太陽周期と結びつき、建築、天体観測、公共儀礼の関係を示す。
カホキアは孤立した村ではなかった。ミシシッピ文化の農耕社会、周辺集落、交易網はミシシッピ川流域から米国南東部へ広がり、貝、銅、石材などが長距離交流を物語る。都市は14世紀ごろまでに人口を失ったが、その理由は今も研究中で、環境負荷、資源利用、洪水、社会変動など複数の要因が考えられている。遺跡名は後世のカホキア族名に由来するため、両者を同じ集団とみなさない注意も必要だ。
1982年にユネスコ世界遺産へ登録された。イリノイ州が管理する中心保護区域は約2,200エーカーで、およそ80基の墳丘を含む。現在、主要展示室と劇場は改修中だが、案内センターのロビー、トイレ、売店、遺跡模型、仮設展示は水~日曜の9時から15時まで開く。屋外とトレイルは毎日、夜明けから日没まで開放され、入場・駐車は無料。寄付を受け付けている。
グランド・プラザ、モンクス・マウンド、ウッドヘンジの各コースを組み合わせると都市像をつかみやすい。墳丘の階段は急で、夏の暑さと頂上の風にも備えたい。セントルイス中心部から約8マイルで、公式案内はI-64ではなくI-55/70の6番出口から州道111号へ進む経路を勧める。地図は駐車場やセンター前で入手でき、Cahokia AR Tourも利用可能。2~3時間を確保し、遺物や土を持ち帰らないこと。