について サルミゼゲトゥサ
サルミゼゲトゥサ・レギア――ダキア王国の山岳首都
サルミゼゲトゥサ・レギアにはSarmisegetusa、Sarmisegethusa、Sarmisegethuzaなどの異綴りがあり、古代ギリシャ語史料ではΖαρμιζεγεθούσαまたはΖερμιζεγεθούσηとも記された。ローマ帝国との戦争以前、ここはダキア人の首都であり、最も重要な軍事・宗教・政治の中心地だった。
オラシュティエ山脈の防衛中枢
王都は現在のルーマニアにあるオラシュティエ山脈の高地に築かれ、六つのダキア要塞から成る戦略的防衛網の中核を担った。山岳地形と要塞群が一体となって、ダキア王国の中心を守っていた。
ローマ都市との混同に注意
サルミゼゲトゥサ・レギアは、約40キロメートル離れたウルピア・トライアナ・サルミゼゲトゥサとは別の遺跡である。後者はローマ皇帝トラヤヌスが建設した属州ダキアのローマ側の州都で、ダキア王国本来の首都ではない。
ローマ都市の遺跡は近代の研究者に早くから知られ、20世紀初頭にはすでに広く認識されていたが、一時はダキアの首都と取り違えられた。この混同は、ダキア人の軍事史や組織に関する誤った結論を招く要因となった。