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ジラルド広場

中世の市場から16世紀の大理石噴水を囲む広場へ。ユネスコ登録の旧市街にあるエヴォラのジラルド広場を紹介します。

座標: 38.5707037, -7.9092919 更新日: 2026-10-11 Google ストリートビュー

について ジラルド広場

エヴォラの中心にある公共の広間

ジラルド広場はエヴォラの主広場というだけではありません。日々の動線、商業、長い歴史が交わる、街の大きな居間のような場所です。アーケードのある建物が開放的な空間を囲み、サント・アンタン教会と大理石の噴水が最も分かりやすい縁と中心を形づくっています。ここから旧市街の小路が歴史地区へ延びるため、初めて歩く人にとって自然な起点にもなります。

この公共空間の周囲では、エヴォラの過去がとりわけ目に見える形で残っています。ユネスコは、ローマ時代から中世、王政期まで、二十世紀以上の歴史が街を形づくってきたと説明します。歴史地区は1986年に世界遺産に登録されました。ジラルド広場も保護対象の都市景観に含まれますが、単独の記念碑として見るべきではありません。建物、街路、公共生活、幾度もの改修が組み合わさることで価値が生まれています。

市の資料は、広場に関する記録を13世紀までさかのぼらせ、当時はテレイロ・デ・アルコンシェルと呼ばれたとしています。その後はプラサ・グランデの名も使われました。ここでは日々の市場が開かれ、周囲のアーケードの一部は14世紀に起源を持ちます。イスラム時代の屋外礼拝所だった可能性も市は紹介していますが、確定した事実ではなく仮説として示しています。

市場、アーケード、ルネサンス期の噴水

16世紀、エヴォラが王室の居住地であり、政治・宗教活動の中心でもあった時代に、広場の姿は大きく変わりました。都市改造では市庁舎が整備され、サント・アントニーニョの古い礼拝堂がサント・アンタン教会へと改修されました。アーケードは商業空間としての個性を保ち、取引、集会、街中の移動に使われる広場の周囲に日陰をつくりました。

中央の噴水は、この広場を代表する公共建築です。1537年、アグア・ダ・プラタ水道の完成を記念して、最初の噴水がここに造られました。現在の大理石噴水は1571年に完成し、アフォンソ・アルヴァレスが設計しました。エヴォラの給水設備と都市景観を刷新する計画の一部です。円形の構成は、基壇、柱身、水盤を経て、王冠のような頂部へと重なります。

噴水の八つの水口には仮面の彫刻があり、市の解説はその数を広場へ入る八本の道と結び付けています。何世紀にもわたり、噴水は街の主要な給水設備の一つでしたが、その規模と王権を示す意匠によってエヴォラの象徴にもなりました。1619年の訪問時にポルトガル王フェリペ2世が称賛したとも伝えられます。15~19世紀には、日々の市場、年市、闘牛もこの場所で行われました。

世界遺産の街をつなぐ広場

現在の名称は、エヴォラの中世キリスト教側による再征服と結び付けられる「恐れ知らずのジェラルド」にちなみます。市の歴史案内によると、プラサ・グランデがジラルド広場と呼ばれるようになったのは19世紀です。名前には記念の意味がありますが、広場の役割は一人の人物だけでは語れません。街が変化する間も、公共の中心として使われ続けました。

ユネスコの解説を読むと、広場をエヴォラ全体の歴史のなかに位置付けられます。15世紀、ポルトガル王たちが頻繁に滞在するようになり、街は黄金期を迎えました。16~18世紀の白く塗られた家、アズレージョの外壁、鍛鉄のバルコニーが歴史地区のまとまりを生んでいます。広場は、その町並みとローマ遺跡、中世の大聖堂、修道院、後世の市民建築を結び付けています。

噴水だけを写真に収めて立ち去るのではなく、広場全体を眺めてみましょう。教会の正面、アーケード、旧市庁舎の建物、噴水の位置関係から、水の供給、礼拝、市場、王権の演出が公共空間に集まった様子が分かります。少し離れて中央の石彫を見ると、噴水の形とサント・アンタン教会前という配置を一緒に捉えられます。

現在のジラルド広場を訪ねる

ジラルド広場はエヴォラ歴史地区にある屋外の公共広場で、入場券や観光客向けの固定開館時間が設定された博物館ではありません。旧市街の道を歩いてアクセスでき、周辺の史跡を巡る前の出発地点や待ち合わせ場所にもなります。市の文化遺産ページは歴史を紹介していますが、広場自体の入場料や予約は案内していません。周囲の個々の建物は別途確認が必要です。

丁寧に見学するなら、噴水の彫刻を観察したあと、アーケード沿いを歩いて広場の大きさを感じてください。市の公式サイトには、ポルトガル語、英語、スペイン語、フランス語による短い音声案内があります。都市の変化や噴水の由来を解説しているため、広場を単なる景色として眺めるのではなく、自分のペースで背景を知るのに役立ちます。

エヴォラの夏は暑く、日陰で休む時間があると助かります。季節を問わず、旧市街の石畳には歩きやすい靴が向いています。近隣の教会、博物館、史跡はそれぞれ開館時間が異なるので、旅程を組む際に個別に確認してください。ジラルド広場は、ゆっくり眺める価値があります。中世に始まる市場の場であり、16世紀の記念噴水を抱き、今も公共生活を支える空間として、ユネスコ登録のエヴォラの景観に息づいています。