について タボン洞穴
パラワン西岸の石灰岩の岬
タボン洞窟群は、フィリピン・パラワン島西岸、ケソン町近くのリプーン岬にあります。一つの洞窟ではなく、広いカルスト地形です。ユネスコの2006年暫定リスト資料は、この石灰岩の岬に約104ヘクタールの範囲で少なくとも200の洞窟と岩陰があると説明しています。フィリピン国立博物館は洞窟群の位置をリプーン岬のタワ・タワに示し、先にケソン町バランガイ・アルフォンソ13世の博物館事務所へ寄るよう案内しています。
洞窟群の名称は中心的な洞窟タボンに由来し、その名は地面に巣を作るタボンツカツクリにちなみます。1851年の英国測量図では岬が「Albion Head」と記され、地元の人々はリプーンと呼んでいます。これらの呼称には、地域の地理、植民地期の地図、後に洞窟を知らしめた考古学という異なる歴史が重なります。現在、国立博物館が保護区とリプーン岬の現地博物館を管理しています。
本格的な考古学調査は1962年に始まりました。パラワンの先住民族パラワンの人々との聞き取りをきっかけに、ロバート・フォックスと国立博物館のチームがリプーン岬の石灰岩地形を調査しました。博物館は、洞窟の床に考古資料が散在していたと記しています。この経緯は地域の知識の重要性も示します。遺跡は人々の暮らしが続く景観にあり、土地を知る人々は発掘史の脇役ではありません。
化石と遺物が示すこと
タボンは人骨で知られますが、「タボン人」という呼び名は別々の発見を一つにまとめてしまうことがあります。国立博物館は化石化した頭蓋冠と脛骨片を重要な資料として紹介しています。学術論文は両者を区別しており、頭蓋冠は約1万6500年前、誤差は約2000年とされます。脛骨片にはより幅の広いウラン系列年代があり、約4万7000年前、誤差はプラス1万1000年、マイナス1万年です。同じ標本や同一人物の一つの年代ではありません。
これは専門的な細部にとどまりません。頭蓋冠と脛骨片は異なる状況で見つかり、年代の幅も別です。頭蓋冠を「4万7000年前」と書けば、研究者が分けて扱っている証拠を混同します。2004年の査読論文は化石を記載し、年代を検討し直しました。その後の研究も人骨資料全体と継続中の調査を扱っています。慎重にいえるのは、タボンがフィリピンの後期更新世のホモ・サピエンス研究に重要な資料を提供していることです。
考古資料は人骨だけではありません。国立博物館はマヌングル二次葬用壺、ヒスイ製のリンリンオ装身具、デュヨンの貝製石斧などを、国宝級の文化財として挙げています。石器、動物骨、埋葬習慣の証拠を合わせることで、技術や社会生活の変化が見えてきます。「文明の揺りかご」という一言にまとめるより、発掘と研究によって築かれた長く多様な記録に目を向けたい場所です。
発掘の歩みを伝える現地博物館
長年、タボンは発掘報告、国立博物館の収蔵品、洞窟の景観を通して知られてきました。2024年2月1日、国立博物館はタボン洞窟群とリプーン岬の構成博物館を試験的に開館しました。発表では、数十年にわたる研究とパラワンでの博物館活動をもとに展示が構成されていると説明しています。洞窟見学の前後に地域を学べる場所が現地にできたことは、訪問者にとって大きな変化です。
2022年の調査60周年に際し、国立博物館は「起源の物語:タボン洞窟考古学の始まり」という展示を紹介しました。1962~1970年の発掘写真や選ばれた資料を通して、初期調査を振り返る内容です。ただし、この発表は2022年の開幕を記録したもので、現在も全展示が同じ形で続いている保証ではありません。2024年の博物館開館と継続中の調査が遺跡の新たな層を加えています。展示や開館時間は訪問前に確認しましょう。
リプーン岬は2006年からフィリピンのユネスコ暫定リストに「The Tabon Cave Complex and all of Lipuun」として記載されています。暫定リストは将来の推薦を検討する物件の一覧であり、世界遺産への正式登録とは異なります。国立博物館は2024年、推薦に向けた手続きが続いていると発表しました。正式な世界遺産登録前であっても、タボンが国の文化と科学にとって大きな価値を持つことは変わりません。
許可、アクセス、出発前の準備
国立博物館の現在の公開ページによると、洞窟を見学するには事前に入域許可が必要です。まずケソン町バランガイ・アルフォンソ13世にあるタボン洞窟地域博物館・支所で手続きをし、その後リプーン岬のタワ・タワへ向かいます。博物館は、新設されたコンクリート道路と遊歩道が洞窟入口まで続き、現在は船を使わずに到達できると説明しています。許可が必須なので、入口に着いてから手続きできると考えて直接向かわないでください。
同じページにはタボン事務所の電話0919 077 9860とメールアドレスが掲載されています。一方、感染症対策に関する案内も残っており、パンデミック時の規則と思われる年齢制限や衛生手順を現在の要件とみなすべきではありません。現在の毎日の開館時刻や、日付が明記された料金表は確認できませんでした。出発前に許可、通行、費用、交通、公開中の洞窟を博物館に問い合わせてください。
ケソンはパラワン北部の有名なリゾート地から距離があるため、移動時間を確保し、思いつきの立ち寄り先にしないことが大切です。案内に従い、指定路を歩き、考古資料を持ち去ったり触れたりしないでください。石灰岩の洞窟、地域の知識に導かれた発見の歴史、化石年代の区別、そしてパラワンの深い過去を伝え続ける博物館を結び付けると、訪問の意味が深まります。