について トゥルッロ・ソヴラーノ
サクラメント広場近くに建つ象徴的なトゥルッロ
トゥルッロ・ソヴラーノは、イタリア南部プーリア州のアルベロベッロにあり、聖コスマスと聖ダミアヌスのバシリカの裏手、サクラメント広場の近くに建っています。町を代表する石灰岩造りのトゥルッロの中でも、規模が大きく、設計の面でも際立つ建物です。ユネスコは、イートリア渓谷に伝わるトゥルッロ建築を、石灰岩の板を積み上げた円錐形、ドーム形、またはピラミッド形の屋根を持つ乾式石積みと説明しています。ソヴラーノの特徴は、内部階段で上がれる上階があること、そしてモルタルを用いる新しい建築段階へ移る時期の建物であることです。「ソヴラーノ」は「君主」や「至高」を意味し、この名称は1916年から使われています。
この建物は、ユネスコが1996年に登録した「アルベロベッロのトゥルッリ」の六つの構成資産の一つにも数えられています。遺産は博物館一棟だけではなく、二つの歴史地区と四つの個別地点から成り、その一つがトゥルッロ・ソヴラーノです。この位置づけを知ると、建物を町から切り離された珍しい家としてではなく、人々の暮らしが続く都市景観の一部として捉えられます。室内を見学した後、周辺の通りを歩けば、トゥルッロが現在もアルベロベッロの建築的な個性と日常風景を形づくっていることが分かります。
一度に建てられたのではない、変化を重ねた建物
イタリア語の資料と市の記録からは、建物が複数の段階を経て形づくられたことがうかがえます。アルベロベッロ市は、1797年4月15日付の公証文書が、ペルタ家の人物に関係する住居の改築をめぐる争いを記録していると説明しています。ただし、この文書は二層部分がいつ建てられたかを明記せず、その後の改変すべてを確定するものでもありません。これは建築規則をめぐる不動産上の争いを知る史料であり、「1797年に全体が完成した」と単純化する根拠にはなりません。イタリア文化省は18世紀半ばにペルタ家が建てさせたと紹介し、市の説明は建築者が不詳で、増築が重ねられた点を強調しています。
こうした慎重な読み方は、建物の魅力を損なうどころか、むしろ深めます。トゥルッロ・ソヴラーノは古い核となる部分から拡張され、さまざまな部屋と珍しい上階を持つ複合的な住居になりました。市はこの建物をトゥルッロ建築の大きな到達点と評し、地元で「ア・コット」と呼ばれるモルタル使用の新段階を切り開いたと説明しています。家屋博物館自身も、単一の工事で完成した建物というより、増築と統合の積み重ねとして紹介しています。すべての壁を一人の職人や一つの年に結び付ける、整いすぎた年代説明には注意が必要です。
建築を体感できる室内空間
正面入口は南向きで、大きな切妻状の正面の下に設けられています。市の説明によれば、入口アーチの上部には、19世紀前半に描かれたとされるカルヴァリオの場面があります。扉の脇の小さな穴は、外を確かめる覗き穴として使われました。中へ入ると、小さな寝室の先に、交差ヴォールトで覆われた広い玄関室が続きます。連続する半円アーチは、ヴォールトが外側へ押し出す力を周囲の壁へ伝える役割を担います。これらは単なる装飾ではなく、日々の移動や生活に合わせて、入口、部屋、構造が組み立てられていたことを示しています。
玄関室からは庭につながる広い台所へ進め、別の扉は古い居住部分へ通じています。玄関のヴォールトの上、トゥルッロ屋根の下には一室があり、客間または織物を作る場所として使われた可能性があります。そこへ続く階段は壁の厚みの中に造られており、町の他のトゥルッリでは珍しい構成です。市の記録によれば、後に分割される前は十二の部屋がありました。厚い壁に設けられた壁龕や収納棚は、物をしまう空間を増やし、不安定な時代には所持品を隠す用途もあったとされます。こうした痕跡から、住居が時代ごとの必要に応じて使われた様子を読み取れます。
住居から地域の場、そして家屋博物館へ
トゥルッロ・ソヴラーノは私邸以外の用途にも使われてきました。市の記録では、薬局や礼拝所として利用された時期があり、1785年にはドン・カタルド・ペルタがローマから持ち帰った聖コスマスと聖ダミアヌスの聖遺物を安置したとされます。その後、聖体の兄弟会が祈祷所として利用しましたが、開始年は資料によって異なるため、19世紀の利用とするのが慎重な表現です。建物は1993年に修復され、現在も個人所有です。市は現在、家屋博物館としてだけでなく、企画展や文化交流の会場としても紹介しています。
室内を歩くと、建築の仕組みを人の目線で理解できます。円錐形の屋根、厚い壁、内部階段、台所、連なる部屋は、トゥルッロ形式が一室の小屋を超えた住居へ発展できたことを示します。ユネスコの解説は地域の乾式石積みの伝統を紹介し、ソヴラーノはそこに変化の歴史を加えます。規模、上階、モルタルの使用が、より簡素な例と異なる点です。企画展や文化行事が現代の用途を生みますが、個別イベントの日程は別途確認してください。建築上の工夫だけでなく、部屋に残る日常生活の歴史も、この家の価値を支えています。
入館料、公開時間、訪問前に確かめたいこと
2026年10月6日に確認した時点で、トゥルッロ・ソヴラーノ公式チケットページは一律2.50ユーロの入館料を掲載していました。季節別の時間は、11月から3月が10時から12時45分、15時30分から18時、4月から10月が10時から12時45分、15時30分から18時30分です。一方、2024年5月が最終更新として表示される市のページでは午後の閉館時間と昼休みが異なり、イタリア文化省のページは月曜から土曜の10時から18時、日曜休館としています。公式情報同士に違いがあるため、出発前に最新情報を確認してください。
市と家屋博物館は住所をサクラメント広場10/11と案内し、電話番号+39 080 4326030を掲載しています。博物館のチケットページでは事前予約は不要とされています。長距離移動の前や祝日前後には、電話または公式サイトで公開時間、料金、臨時休館を確かめるのが安心です。室内見学はアルベロベッロ散策と組み合わせられますが、周辺の歴史地区も遺産の物語を構成しており、急いで通り過ぎるだけの背景ではありません。階段、ヴォールト、部屋の配置、名称の変遷を丁寧に見ると、一軒の家からトゥルッロ建築の変化が具体的に伝わってきます。