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ナグシェ・ラジャブ

ナクシェ・ラジャブに残る四面の初期サーサーン朝浮彫。アルダシール1世、シャープール1世、大祭司カルティールの図像を読み解きます。

座標: 29.966091, 52.8870463 更新日: 2023-11-19 Google ストリートビュー

について ナグシェ・ラジャブ

ナクシェ・ラジャブ――岩壁に刻まれたサーサーン朝初期の王権

ナクシェ・ラジャブ(ペルシア語:نقش رجب)は、イランのファールス州にある考古遺跡です。古代都市イスタフルの西、ペルセポリスの北約5キロに位置し、約2.5キロ離れたナクシェ・ロスタムとともに、マルヴダシュト周辺の重要な文化景観を形づくっています。

サーサーン朝初期の四つの浮彫

小さな岩壁の空間には、サーサーン朝初期に属する四面の石灰岩浮彫と碑文があります。一つは王朝の創始者アルダシール1世の叙任、もう一つは後継者シャープール1世が王権を授けられる場面です。三つ目は「シャープールの行列」として知られ、騎乗する王と、その後ろに並ぶ九人の王族または廷臣を表しています。

古い資料には、この行列を244年のローマ皇帝フィリップス・アラブスに対する勝利の記念とする説明もあります。しかし専門研究によれば、この浮彫にはローマ人の捕虜や踏みつけられた敵は描かれていません。そのため、確定した対ローマ戦勝図ではなく、王と随員の表現とみるのが正確です。

大祭司カルティール

四つ目の浮彫と碑文は、ゾロアスター教の大祭司カルティールに帰属します。カルティールはシャープール1世と、その後のホルミズド1世、バハラーム1世の時代に活動した重要な宗教人物でした。これらの作品は、初期サーサーン朝が王権、叙任儀礼、宗教的権威を岩壁にどのように表現したかを伝えています。

世界遺産暫定一覧表での位置づけ

ナクシェ・ロスタムとナクシェ・ラジャブは、1997年にイランからユネスコ世界遺産の暫定一覧表へ提出されました。暫定一覧表への記載は将来の推薦候補であることを意味し、世界遺産一覧表への正式登録とは異なります。