について ノエル・ケンプ・メルカード国立公園
ノエル・ケンプ・メルカード国立公園:ボリビアの隔絶された世界自然遺産
ノエル・ケンプ・メルカード国立公園は、ボリビア北東部サンタクルス県ホセ・ミゲル・デ・ベラスコ郡に位置し、ブラジルと国境を接しています。面積は約152万3,000ヘクタール。標高約200メートルの低地から標高1,000メートル近いワンチャカ台地まで広がり、アマゾン盆地でも最大級かつ比較的原生状態を保つ保護区です。
ワンチャカ国立公園から現在の名称へ
1979年、約54万1,000ヘクタールのワンチャカ国立公園として設立されました。1988年、ボリビアの博物学者ノエル・ケンプ・メルカードを顕彰して現在の名称に改められ、後の境界拡張でパウセルナ川の滝など重要な地域が保護対象に加わりました。
2000年にはユネスコ世界自然遺産へ登録。10億年以上に及ぶ地質の歴史を持つ台地と、アマゾン常緑林、セラード、ヤシ林、湿地、河畔林、半落葉性乾燥林が一つの保護区内に共存しています。
大規模な生態系のモザイク
ユネスコは約4,000種の植物と600種を超える鳥類を挙げ、ジャガー、オオカワウソ、オオアリクイなど世界的に脅威にさらされる大型脊椎動物の個体群も生息するとしています。長く隔離されてきたワンチャカ台地のセラードは、生態系の進化を研究する天然の実験室でもあります。
2026年には、救護・リハビリを受けた雌のジャガー「ヤグアラ」が園内へ放され、衛星首輪による追跡が始まりました。国立公園が大型ネコ科動物の保全と研究で担う現在の役割を示す事例です。
滝と台地、手つかずの奥地
アルコ・イリス、フェデリコ・アールフェルド、エル・エンカントなどの滝、ワンチャカ台地の断崖と草原が代表的な景観です。ただし各地点は遠く離れ、道路、河川、小規模滑走路の利用条件が季節と天候で変わります。一般的な都市公園のように自由に巡れる場所ではありません。
訪問には専門的な計画が必要
誰でも随時利用できる共通入口、定期シャトル、一律の開園時間はありません。陸路で数日を要することがあり、四輪駆動車、船、小型機を組み合わせる行程もあります。出発前にボリビア国立保護地域局SERNAP、または許可と現地経験を持つ事業者へ連絡し、入園許可、ガイド、交通、燃料、宿泊、通信、緊急退避計画を確認してください。
雨季、火災、保全活動で入域が制限される場合があります。ユネスコは2025年、干ばつと気候変動による同公園の森林火災激化を報告しました。レンジャーの指示に従い、動植物を持ち出さず、許可されたルートを外れないことが原則です。日差し、虫、水、応急処置、通信途絶への備えを整え、管理機関が安全と開放を確認した場合にのみ訪問しましょう。