について ノコミス・ノール住宅歴史地区
野外博物館ではなく、今も人が暮らす地区
ノコミス・ノールは、ノコミス湖に近いミネアポリス南部の歴史的住宅地区です。米国国立公園局はこの一帯を国家歴史登録財に記載し、登録申請書では建築とコミュニティ計画の価値を挙げています。訪問者にとって大切な違いがあります。ここは住民が暮らす地区であり、入口やチケット売り場、決まった見学時間のある博物館ではありません。公共の歩道から街並みを見ることはできますが、住宅、庭、車道は私有地です。住民の家を展示物のように扱わず、景観を楽しむことが敬意ある見学につながります。
国家登録の申請書による地区の境界は、West 52nd Street、West Lake Nokomis Parkway、East 54th Street、Bloomington Avenueで示されています。国立公園局は重要な時期を1922年から1948年とし、1922年を重要年として記載しています。登録区域は約12.5エーカーです。申請書は、歴史的な特徴に寄与する建物や構造物と、そうでないものを区別しています。つまり、登録の対象は一軒の有名な家ではなく、複数の通りや住宅がつくるまとまりです。
変わりゆく都市に合わせた住宅建築
申請書には、20世紀初頭に流行した復興様式が複数記されています。チューダー・リバイバル、コロニアル・リバイバル、後期ゴシック・リバイバル、ミッションまたはスペイン植民地復興、フランス・ルネサンスやイタリア・ルネサンスの意匠などです。住宅にはレンガ、木の下見板、スタッコが使われ、屋根にはスレートや陶製タイルなどが見られます。短い散歩でも、戸建てや二世帯住宅に合わせた外壁、屋根、ポーチ、車庫の違いを目にできます。一つの形式を繰り返すのではなく、街路単位で多様性がつくられています。
この地区は、自動車が住宅計画に及ぼした影響も伝えています。登録申請書は、ノコミス・ノールの発展を自家用車の普及や、車庫が住宅設計に取り入れられた流れと結びつけています。曲がった小路や斜めの路地には、家の裏側に設けられた車庫へ車を導く初期の工夫が見られます。資料は、この地区を1922~1948年のミネアポリスにおける住宅開発と地域計画の保存状態が良い例として評価しています。一軒ずつの住宅より、建物、道、敷地が組み合わさって当時の街区を形づくる点が重要です。
歴史登録が示すこと、示さないこと
ノコミス・ノールは1999年に国家歴史登録財に記載されました。この登録は建築と地域計画への貢献を認めるものですが、住宅を一般公開の観光施設に変えるものではありません。公式申請書は対象を地区として分類し、所有者が私的であることを記録しています。また、重要な歴史時期に寄与する資源と、後世の建物や改変によって寄与しない資源を区別しています。見学の前に知っておくと、すべての建物が同じ外観や年代ではないこと、地区全体の価値が全戸の完全な保存に依存しないことがわかります。
申請書からは、著名な住人の逸話ではなく、記録に基づく建築・計画上の特徴が評価されたとわかります。地域の開発、住宅の形式、建材、道路のパターンが説明されています。ミネソタ州歴史保存局の登録一覧にもノコミス・ノールが載り、公式申請書を調べる方法が案内されています。こうした一次資料は、専門家が歴史地区をどう定義するかを知る手がかりです。国家登録への記載を、市立博物館や一般公開される私邸と混同しないためにも役立ちます。
住民に配慮して見学するために
ノコミス・ノールに専用のビジターセンターや一般向け開館時間はありません。訪問するなら公共の道路と歩道を使い、駐車・交通標識に従って、日中に静かに歩きましょう。車道をふさがず、窓越しに室内を撮影せず、庭に入らず、住民に住宅内への立ち入りを求めないでください。普通の住宅地なので、専用の公衆トイレ、解説板、観光サービスが地区内にあるとは限りません。国立公園局の申請書を読んでおくと街並みを理解しやすくなりますが、通りは今もミネアポリスの生活の場です。
散策をノコミス湖周辺の公共エリア訪問と組み合わせることはできますが、歴史地区と湖畔の公園は別の場所で、設備も異なります。遊歩道やレクリエーション施設を利用する場合は、公園の案内を別に確認してください。ノコミス・ノールでは、一軒の敷地に入ることより、住宅様式、道路からの後退、小路、独立した車庫がつくる全体のパターンを見るのがおすすめです。その魅力は控えめで建築的です。自動車時代の住宅開発が広がり始めた数十年間に、ミネアポリスの一地区がどう形づくられたかを想像できます。住民の生活を妨げず、注意深く眺めることが最良の発見につながります。