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ビッグ・ベン

ビッグ・ベンが本来指すもの、エリザベス・タワーの建設と修復、ロンドンでの英国議会公式ツアーの予約方法を紹介。

座標: 51.500694, -0.124567 更新日: 2026-10-03

について ビッグ・ベン

鐘、時計、塔

多くの旅行者はテムズ川沿いの有名な時計塔を「ビッグ・ベン」と呼ぶが、厳密には塔内の大鐘の名前である。塔の正式名称はエリザベス・タワー、時計はウェストミンスター大時計、周囲の議事堂全体はウェストミンスター宮殿だ。日常会話ではビッグ・ベンが三つすべてを指すこともある。案内表示を読んだり見学を予約したりするとき、違いを知っていると理解しやすい。

現在の塔は、1834年の火災で旧宮殿の大部分が焼失した後に設計された新しいウェストミンスター宮殿の一部である。建築家チャールズ・バリーが全体を主導し、オーガスタス・ウェルビー・ピュージンがゴシック・リバイバル様式の性格を与え、塔の外観や時計の細部も設計した。塔の建設は1843年に始まった。大時計の機構は1854年に完成したが、鐘を安定して鳴らすまでには時間を要し、最初の鋳造の失敗を経て1858年に交換の鐘が作られた。

大時計は1859年5月31日に動き始め、大鐘は同年7月11日に初めて時を告げた。ほどなく鐘にひびが入った。議会の記録によると、鐘を約90度回転させ、ハンマーを小さくしたことで、1863年に再び鳴らせるようになった。修理後もひびは見えるままで、独特の音色の一因となっている。塔の高さは約96メートル、四面の文字盤はそれぞれ直径約6.9メートルで、大鐘の重さは約13.7トンだ。

ビッグ・ベンは鐘楼にある五つの鐘の一つで、四つの小鐘は毎正時の間におなじみのウェストミンスター・チャイムを奏でる。機構は装飾用の複製ではなく、現在も時を刻む時計である。技術の変化や長年の風雨に対応するため、塔は慎重な保全を受けてきた。2012年、旧クロック・タワーはエリザベス2世の即位60周年を記念してエリザベス・タワーに改称された。塔の正式名は変わったが、時を告げる鐘は引き続きビッグ・ベンと呼ばれる。

議会で使われ続ける名所と将来に向けた修復

塔は英国議会の所在地であるウェストミンスター宮殿と切り離せない。宮殿はウェストミンスター寺院、セント・マーガレット教会とともにユネスコ世界遺産に登録された歴史的区域の一部だ。登録対象は一帯であり、ビッグ・ベン単独が世界遺産というわけではない。川沿いの風景とゴシック様式の輪郭はロンドンを代表する眺めをつくる一方、現役の議会施設であるため、警備、議会活動、保全工事が見学方法に影響する。

2017年から2022年にかけて、エリザベス・タワーは建設以来最も大規模な保全工事を受けた。議会によれば、石造部分、屋根、文字盤、金箔装飾、時計機構、334段の階段などが作業対象になった。専門の職人が歴史的な素材を修復・清掃する一方で、現代の設備も更新された。足場は段階的に撤去され、ビッグ・ベンは2022年11月に通常運転へ戻った。外観を整えるだけでなく、時計の仕組みと建物を守り、議会で使われ続ける場所にするための工事だった。

塔内ツアーに参加しなくても、パーラメント・スクエアや川岸などウェストミンスターの公共空間から外観を眺められる。近くで体験する公式ガイドツアーは、狭い螺旋階段を上って鐘楼に向かい、時計の機構のそばを通り、文字盤の裏側を見る内容だ。体力を要し、年齢、騒音、アクセスに条件がある。予約なしで立ち寄れる一般観光施設ではなく、ウェストミンスター宮殿の他の見学方法とも異なる。

2026年10月時点で、英国議会はビッグ・ベンのツアー券を3か月前に発売し、毎月第2水曜日の午前10時に予約を開始すると案内している。2026年8月1日以降のツアーは、大人55ポンド、11~17歳35ポンドで、1人につき最大8枚、空席状況による。所要時間は最長90分で、334段を上る。参加者は11歳以上で、急な階段と大きな鐘の音に対応できる必要がある。耳当てが用意され、手配によりアクセシブル・ツアーも利用できる。

訪問の計画を立てる

旅行を組む前に英国議会の公式チケットサイトで予約し、発売日程を確認しよう。希望日が売り切れることもあるため、日程に余裕を持たせるとよい。購入前に案内をすべて読み、標準ツアーには途中休憩があるものの、鐘楼までのエレベーターはなく、トイレを使えるのは開始時と終了時だけだと理解しておきたい。料金や年齢条件は変わる可能性があるため、古いガイドブックではなく現在の予約画面を基準にする。

集合場所までの移動と保安検査に時間を見込む。議会は稼働中の機関なので、荷物、持ち込み禁止物、本人確認、到着時刻に関する指示に従う必要がある。ツアーは議会施設内で始まり、同じ敷地内で終了する。条件が整えば、その後にウェストミンスター・ホールを見学できることもある。ビッグ・ベンの券で下院議場や宮殿の全区域に入れるとは限らず、別の見学として予約が必要な場合がある。

外観を無料で見るなら、ウェストミンスター橋やテムズ川南岸から、川と宮殿の上にそびえる文字盤を眺めるのが定番だ。パーラメント・スクエアでは塔や像を間近に見られ、ヴィクトリア・エンバンクメントからは別の角度で川越しに眺められる。公共の撮影場所は混み合うことがあり、特に橋の周辺や写真映えする時間帯は注意が必要だ。歩道をふさがず、車にも気を配ろう。自転車レーンに入ったり横断箇所を塞いだりしてまで撮る価値はない。

近くの名所は徒歩で巡れるが、それぞれ開館時間が異なる。ウェストミンスター寺院やチャーチル・ウォー・ルームなどは独自のチケット、時間枠、保安検査を設けている。塔内ツアーを予約した場合はそれを一日の軸にし、前後に余裕を取ろう。政府機関が集まる地区では道路規制やデモが行われることもあるため、大規模な公共イベントと重なる場合は交通情報を確認したい。

ビッグ・ベンは、川岸から短時間眺めるだけでも、エリザベス・タワー内を計画的に訪れても見応えがある。外観からはビクトリア朝ゴシックの設計が伝わり、鐘、時計機構、階段からは有名な鐘の音を支える技術と日々の仕事が分かる。ビッグ・ベンは鐘の名前だと覚え、最新の発売日と参加条件を確かめ、ウェストミンスターの周辺を楽しむ時間も確保しよう。そうすれば写真の名所が、今も使われる国の象徴への理解につながる。