について メキシコ国立自治大学
メキシコ国立自治大学(UNAM)
メキシコ国立自治大学は、UNAMの略称で広く知られる公立の研究大学である。メキシコシティ南部の主要キャンパス「大学都市」は、教育と研究だけでなく、近代建築、都市計画、壁画芸術が一体となった首都の重要な文化的ランドマークでもある。
1910年に始まった近代的な大学
現在につながる大学は、フスト・シエラの構想により1910年9月22日に設立された。歴史上のメキシコ王立教皇大学とは異なる、近代的な国立大学を築くことが目的だった。1929年には自治権を獲得し、大学自身が教育課程を定め、予算を管理する仕組みが確立された。
自治はUNAMの根幹をなす理念であり、学術的な議論と研究の基盤となってきた。自然科学、工学、数学、コンピューター科学から、人文学、歴史、哲学まで、多岐にわたる分野で教育と研究が行われている。
大学都市の建築とパブリックアート
大学都市の中央キャンパスは、主に1949年から1952年にかけて、60人を超える建築家、技術者、芸術家の協働によって建設された。近代的な都市計画に火山地形と先スペイン期の文化的要素を取り込み、建築と景観を一つの構成としてまとめている。ディエゴ・リベラやダビッド・アルファロ・シケイロスらによる大規模な壁画も、その空間を特徴づける。
中央キャンパスは2007年にUNESCO世界遺産へ登録された。都市計画、建築、工学、造形芸術、景観が統合され、20世紀ラテンアメリカのモダニズムを示す優れた事例として評価されている。
研究と1968年学生運動の記憶
UNAMは、メキシコにおける高等教育、研究、学術出版の重要な拠点であり続けている。また、大学は1968年の学生運動とも深い関わりを持つ。大学から広がった運動は全国的な社会現象となり、同国の現代政治史と文化的記憶に大きな足跡を残した。
見学のポイント
大学都市は現役の教育研究施設であり、閉鎖された博物館ではない。屋外の公共空間や一部の文化施設を見学できるが、建物ごとの公開条件や時間は行事、授業日程などで変わる。訪問前にUNAMの公式案内を確認し、学内では教育・研究活動に配慮したい。