について ラスコーII
ラスコーII――実物を守りながら洞窟壁画を伝える複製洞
ラスコーIIは、フランス南西部ドルドーニュ県モンティニャック近郊にあるラスコー洞窟の部分的なファクシミリです。実物の洞窟からほど近い場所で1983年に一般公開され、脆弱な壁画に新たな負担をかけずに、その芸術を体験できるよう造られました。
実物の洞窟に残る600点以上の壁画
本来のラスコー洞窟では、壁面と天井を600点以上の洞窟壁画が覆っています。主題の中心は大型動物で、後期旧石器時代にこの地域に生息していた動物相や化石記録と一致します。
壁画は複数の世代による制作の積み重ねと考えられています。年代については現在も議論がありますが、一般には約1万7000年前、初期マドレーヌ文化期に位置付けられます。
閉鎖による保全と世界遺産登録
実物の洞窟は保存状態の悪化を受け、1963年から一般公開されていません。1979年には「ヴェゼール渓谷の先史的景観と装飾洞窟群」の構成資産として、ユネスコ世界遺産一覧表に登録されました。
ラスコーIIの役割
ラスコーIIは旧石器時代の実物の洞窟でも、単独で登録された世界遺産でもありません。公開を目的に造られた部分複製であり、主要な空間と壁画を再現することで、実物を保護しながらラスコー芸術の規模や構成を理解できるようにしています。