トリニールはインドネシア東ジャワ州ンガウィ県の小さな川辺の集落だが、古人類学の歴史では大きな意味を持つ。1891年と1892年、オランダの医師・解剖学者ウジェーヌ・デュボアが、当時ソロ川とも呼ばれたブンガワン・ソロ川沿いの地層から初期人類の化石を発見した。頭蓋冠などの標本は人類進化とHomo erectusの初期分類をめぐる議論の中心となった。
現在の見学先はトリニール博物館で、クドゥンガラル郡カウ村ピラン小集落にある。インドネシア文化省の資料では、ンガウィの町からソロ方面へ約15キロの場所とされる。博物館はデュボアの発見から100年を記念して1991年11月20日に開館した。科学史の一場面であると同時に地域の施設でもあり、その意味は化石だけでなく、資料を再検討してきた研究者たちの歴史にもある。