シュロス・ニーダーヴァイデンは、オーストリアのニーダーエスターライヒ州マルヒフェルト地方、エンゲルハルツシュテッテンに建つ田園のバロック宮殿です。近隣のシュロス・ホーフに比べて規模は小さいものの、簡潔な建物に個性的な造形が施されています。1685年、エルンスト・リューディガー・フォン・シュターレンベルク伯爵はエンゲルハルツシュテッテンの領地とニーダーヴァイデン村を取得しました。数百メートル離れた中世のグラーフェンヴァイデン城は、すでに廃墟となっていました。1693年ごろ、伯爵はヨハン・ベルンハルト・フィッシャー・フォン・エルラッハに、廃村の近くに狩猟館を設計するよう依頼しました。
フィッシャー・フォン・エルラッハは楕円、長方形、正方形という三つの幾何形を組み合わせ、運営者の公式史が「軽やかな庭園の歓楽館」と呼ぶ建物を構想しました。平らな壁面ではなく、前後に揺れる立面が奥行きをつくり、持ち上げられた楕円形の中央ホールが小さな宮殿の輪郭を際立たせます。屋根の上には彫刻が並びます。西側には獲物の調理場と菓子工房という二棟の付属建物が設けられました。宮廷の余暇は装飾された広間や眺望だけでなく、料理人、使用人、食料の準備に支えられていたことが分かります。