シェーンブルン宮殿はウィーンのヒーツィング地区にあり、ハプスブルク家の代表的な夏の離宮だった。ドイツ語名は「美しい泉」を意味し、宮廷が利用した水源に由来する。皇帝マクシミリアン2世が1569年に狩猟地として取得し、現在の宮殿は主に18世紀、マリア・テレジア時代に形づくられた。建築、室内儀礼、軸線庭園が一体となったバロックの王宮として、庭園とともに1996年世界遺産へ登録された。
全1441室のうち公開コースで見られるのは一部で、皇帝居室はマリア・テレジア、フランツ1世、フランツ・ヨーゼフ1世、皇后エリーザベト、通称シシィの生活を伝える。フランツ・ヨーゼフは1830年にここで生まれ、長い治世の多くを過ごし、1916年に宮殿で没した。1918年の君主制崩壊後はオーストリア共和国の所有となり、博物館として保存された。私生活だけでなく、帝国政治と宮廷儀礼を見る場所でもある。