チェコのヴィソチナ地方にあるテルチでは、城に着く前にアーケードが旅人を迎える。細長い三角形の広場には、色とりどりの壁と切妻屋根が並び、数歩ごとに立ち止まりたくなる。だが、この町の魅力は美しい正面だけではない。家々の背後に残る池や城門には、水と交易、貴族の構想が町を形づくった歴史が見える。 アーケードを歩き、水辺へ出てから広場に戻り、建物に差す光の変化を眺めたい。1992年に世界遺産へ登録されたのは、ひとつの建物ではなく、テルチの歴史地区全体である。