ビクトリア・ハーバーは香港島と九龍半島の間に広がる天然の深水港で、香港の都市発展を象徴する空間である。風を避けやすい水域と南シナ海に面した位置が、19世紀以降の国際貿易港としての成長を支えた。その後、両岸では埋め立てが繰り返され、海岸線、埠頭、商業中心地が変化した。現在も航運と都市交通を担う一方、公共プロムナード、文化施設、超高層建築が連なる都市景観の軸となっている。
初訪問なら尖沙咀の海辺から歩くと分かりやすい。スターフェリー乗り場そばの時計塔は旧九広鉄道終着駅の遺構で、海沿いには香港文化センター、香港芸術館、アベニュー・オブ・スターズが続く。星光大道では100人を超える映画関係者の手形、香港電影金像奨像、ブルース・リーとアニタ・ムイの像を通して映画史に触れられる。香港島側では中環埠頭、添馬公園、中西区プロムナード、湾仔の金紫荊広場から九龍側を眺められる。