ワット・プーはVat Phouとも表記され、ラオス南部のプー・カオ山麓にあるクメール時代の寺院遺跡として紹介されることが多い説明です。ただし、それだけでは全体像をとらえきれません。ユネスコが2001年に登録したのは、山、平野、メコン川を寺院、祠、集落、水利施設で結ぶ、面積39,000ヘクタールのチャンパーサック文化的景観です。寺院群は最も知られた中心地ですが、周囲には目の前の石造聖殿よりはるかに広い範囲で、計画と宗教思想の痕跡が残っています。
景観はメコン川からプー・カオ山へ向かう東西軸に沿って構成されています。この山はリンガパルヴァタとも呼ばれます。ユネスコは、自然地形と建造物を組み合わせた約10キロの軸線が、人間と世界との関係に関するヒンドゥー教の考えを表したと説明しています。遺産地は首都ビエンチャンの南東約500キロです。訪問者にとって、チャンパーサック県に位置することを把握するのは大切です。ワット・プーは何もない野原に立つ孤立した古建築ではなく、地形、水、集落が形づくった聖なる考古学景観です。