ラウマ旧市街は、映画のために再現された街並みでも、日常生活のなくなった野外博物館でもない。ボスニア湾岸のフィンランドの港町ラウマにある歴史地区で、商店、住宅、工房、公共の通りが、よく保存された木造の町並みを今も形づくっている。ユネスコは中世の街路構成と北欧の伝統的な建築文化を評価し、1991年に世界遺産へ登録した。29ヘクタールに約600棟の木造建物があり、その多くは個人所有だ。ゆっくり歩くと、不規則な路地、小さな中庭、装飾された門が、建物の一覧以上の物語を伝えてくれる。
ラウマはフィンランドに残る数少ない中世都市の一つで、国内でも古い港の一つに数えられる。旧市街はフランシスコ会修道院を中心に発展し、15世紀半ばに建てられた聖十字教会がその歴史を伝える。17世紀後半の大火で町は被害を受けたが、古い都市構造は残り、その後も変化を重ねた。不規則な道路網、街区、地割り、中庭には、近代的な碁盤目状の計画ではなく、世代を越えて町が形成されてきた過程が表れている。