について アルコル橋
パリのアルコル橋――市庁舎とシテ島を結ぶ歴史の道
アルコル橋(Pont d’Arcole)はパリ4区にあり、セーヌ川の大きな流れを越えて市庁舎前広場とシテ島を結ぶ。ノートルダム大聖堂やオテル・デューにも近く、歴史地区を歩く際の便利なルートであると同時に、河岸と旧市街を眺める場所でもある。
この地点では1828年、マルク・スガンが設計した歩行者用吊橋が開通した。川の中央に支柱を持ち、当初はグレーヴ橋と呼ばれた。「アルコル」の名の由来には複数の説があり、1796年にボナパルトが勝利したアルコレの戦いにちなむという説明と、1830年の七月革命で橋付近に倒れた若い共和主義者を記念するという伝承が残る。
交通量の増加を受け、1854年から1856年にかけてアルフォンス・ウードリーとニコラ・カディアが設計した現在の金属橋に架け替えられた。川中に橋脚を置かず、一つのアーチで渡る構造は当時の技術的挑戦で、パリのセーヌ川に架かる橋として初めて全体を錬鉄で造った無橋脚橋とされる。1888年の沈下を受けて補強され、1994~95年にも大規模修繕が行われた。
1944年8月のパリ解放では、ルクレール将軍率いるフランス第2機甲師団の最初の戦車がこの橋を渡り、市庁舎広場へ到達した。現在は公共道路として無料で通行でき、通常は終日利用可能だが、工事や行事で規制される場合がある。最寄りは地下鉄オテル・ド・ヴィル駅。歩道は広くないため、撮影時は自転車と車に注意したい。