について クバール・スピアン
クバール・スピアン――カンボジアの「千のリンガの川」
クバール・スピアン(クメール語:ក្បាលស្ពាន)は「橋の頭」を意味する、アンコール時代の考古遺跡です。カンボジアのシェムリアップ州バンテアイ・スレイ地区、アンコール北東にあるクーレン丘陵南西斜面に位置します。
遺跡はストゥン・クバール・スピアン川の約150メートルにわたって続き、下流のアンコール主要遺跡群から約25キロ離れています。
川床に刻まれた彫刻
川床と岸の砂岩に直接彫られた一連の浮彫からなり、ヒンドゥー教のシヴァ神に結び付くリンガが多数あることから、「千のリンガの谷」または「千のリンガの川」と呼ばれます。
リンガは小さな突起として整然と並び、広い岩盤を覆っています。男性と女性の象徴を組み合わせる、リンガとヨニの構成も残されています。
岩に表された神々と動物
主題はリンガだけではありません。シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマー、ラクシュミー、ラーマ、ハヌマーンなど、ヒンドゥー神話の神々や英雄が表され、動物では牛やカエルの姿も確認できます。
水、岩、彫刻が一体となって儀礼的な景観をつくり、刻まれた像の上を流れた水はアンコール方面へ下っていきます。この関係が、クバール・スピアンの風景に与えられた聖性を伝えています。