について ダッハウ強制収容所記念館
ナチ政権初期に設けられた強制収容所
ダッハウ強制収容所記念館は、強制収容所が置かれた跡地を保存している。アドルフ・ヒトラーがドイツ首相に任命されて数週間後の1933年3月22日、ナチ当局がここに収容所を設け、当初は主に政治犯を拘禁した。その後ダッハウは、ほかの強制収容所のモデルとなり、親衛隊員の訓練の場にもなった。12年間の運営期間に、欧州各地から20万人を超える人々がダッハウ本所と多数の付属収容所に拘禁された。記念館の資料は、4万1,500人が殺害されたとしている。1945年4月29日、米軍が生存者を解放した。これらの数字は記念館による歴史資料であり、迫害の規模を示すが、一人ひとりの人生を数値に置き換えるものではない。
「ダッハウ」という名が示す範囲は、現在見学できる本所よりはるかに広い。戦争が進むにつれ付属収容所のネットワークは南ドイツ各地へ広がり、拘禁された人々は強制労働、暴力、飢餓、病気に苦しんだ。記念館の展示は、政治的反対者を拘束する場所として始まった施設が、どのように恐怖支配の装置へ変わったかをたどる。ここを訪れるには、その時間の流れを知ることが大切だ。建物や敷地は演出のための再現ではなく、実在した被害者、生存者、加害者、そして家族に関わる歴史の場所である。
生存者の働きかけから学びの場へ
旧収容所跡地の記念館は、ダッハウ国際委員会を結成した生存者たちの働きかけを受け、1965年に設けられた。彼らは追悼と市民教育の場としての性格づくりに関わった。1996年から2003年にかけて、収容所の歴史を扱う新たな常設展示が「囚人の道」を軸に整備された。ばらばらの展示物を見るのではなく、拘禁された人々の経験と足取りを歴史に結び付けることを目指している。
見学では常設展示と旧収容所の敷地、追悼の場を合わせてたどる。記念館のウェブサイトには地図、デジタルツアー、生存者の証言、研究資料もあり、事前学習や訪問後の調査に役立つ。扱う内容は重く、年齢に応じた準備が必要だ。子ども向けの特別展示はなく、記念館は13歳未満の訪問を控えるよう勧めている。ガイドツアーや音声ガイドを含む教育プログラムは13歳以上を対象とする。この案内は内容への配慮であると同時に、被害者と生存者に対する記念館の責任を表している。
開館時間、ガイドツアー、敬意ある見学
敷地、ビジターセンター、展示は毎日9時から17時まで開館し、12月24日は休館する。個人見学は無料で、事前予約も不要。旧火葬場区域への入場は16時30分に終了し、他の場所より早い。記念館によると、敷地と展示を見て回るには多くの人が半日ほど必要だ。時間に余裕がない場合は、急いで全てを回るより、見学の重点を選ぶことが勧められている。追悼式典などで時間や通行範囲が変わることもあるため、訪問前に公式のお知らせを確認したい。
個人見学者向けの公開ツアーは毎日開催され、ドイツ語は正午、英語は11時と13時に出発する。FAQによれば通常約2時間半で、料金は4ユーロ。各回30人までで、当日にビジターセンターで開始45分前までにチケットを購入する。予約はできない。音声ガイドも利用できる。記念館は敷地を墓地、追悼の場として扱うよう求めている。掲示された見学規則を守り、ほかの訪問者の妨げになる撮影を避け、ドローンを飛ばさないこと。これらは形式的なマナーではなく、責任ある訪問の一部である。
ミュンヘンからの交通と訪問準備
住所はPater-Roth-Straße 2a, 85221 Dachau。ミュンヘン中央駅からダッハウまたはペータースハウゼン方面のS2に乗り、ダッハウ駅まで約25分。駅からはザウバッハジードルング方面の726番バスで「KZ-Gedenkstätte」停留所へ向かう。ここが記念館の入口付近にあたる。駐車場は限られ、混雑することもあるため、運営者は可能な限り公共交通機関を勧めている。公式案内によれば、Munich-M1の一日券で市中心部からダッハウまでのSバーンと、現地のバスを利用できる。
車で訪れる場合はAlte Römerstraße 73にある隣接駐車場を利用できる。公式案内の料金は乗用車3ユーロ、バス5ユーロで、駐車場ではカード決済ができない。現金など別の支払い手段を用意し、夏に必ず駐車できるとは考えない方がよい。旧収容所はミュンヘン中心部ではなくダッハウ東部にあるため、列車とバスの所要時間を見込もう。出発前に交通や見学上の最新情報を確認したい。何より、資料を読み、考え、追悼する時間を確保してほしい。ここは苦しみ、命を奪われた人々を記憶する場所であり、気軽な娯楽施設ではない。