写真で見る私たちの世界の驚異

ボディアム城

ボディアム城はイースト・サセックスの14世紀の水城。築城史、堀と落とし格子、保存の歩み、見学ルートと注意点を案内する。

座標: 51.002265, 0.543576 更新日: 2023-12-30

について ボディアム城

ボディアム城:東サセックスの堀に浮かぶ中世城郭

イングランド南東部、イースト・サセックスのロバーツブリッジ近郊にあるボディアム城は、広い堀、四隅の円塔、胸壁、門楼がつくる端正な外観で知られる。1385年頃、フランス侵攻への警戒が続く百年戦争期に築かれたが、防御施設であると同時に、所有者の富と地位を示す上質な邸宅でもあった。内部は現在ほぼ屋外の遺構となっているものの、中庭を囲んだ大広間、私室、礼拝堂の配置を読み取れる。

エドワード・ダリングリッジ卿の城

築城者のエドワード・ダリングリッジ卿はフランスで軍務に就き、帰郷後はサセックスの政治に関わった。1385年、リチャード2世からボディアムの荘園を城塞化する許可を得る。高い城壁、塔、初期の銃眼、現存する希少な木製落とし格子は防御性を示す一方、中央中庭の周囲に生活空間を配した設計は、快適さと権威の演出も目的だったことを伝える。その後はルークナー家に渡り、薔薇戦争期に王軍が派遣されたが、正式な包囲戦の記録はない。イングランド内戦後には内部の石材や木材が徐々に持ち去られ、絵画や旅行記に描かれる廃墟となった。

保存の歩みと見学情報

19世紀にジョン・フラーとジョージ・キュービットが修理を進め、1917年に購入したカーゾン侯爵は本格的な保存と発掘を実施した。1925年の死後、城はナショナル・トラストへ遺贈された。現在は門楼と落とし格子、屋外の中庭を見学し、公開中の螺旋階段や塔からロザー川流域を望める。開館時間と料金は季節・日付で変わり、通常は事前予約不要だが、最終入場は閉館30分前。塔や狭い階段の一部は車椅子やベビーカーで入れず、堀と川岸は深く急なため注意が必要である。訪問当日は公式ページを確認し、滑りにくい靴と雨具を用意したい。