ユトランド半島中部の小さな町イェリングには、二つの墳丘墓、二基のルーン石碑、教会がまとまる屋外の記念区域がある。デンマークのヴァイキング時代の王たちを伝える景観だ。コングエルネス・イェリング(「王たちのイェリング」)は、遺跡の隣にデンマーク国立博物館が設けたビジターセンターである。屋外の史跡そのものと、展示や解説を担う館内施設を区別して訪れると、王権、宗教、初期デンマークのアイデンティティーが土地にどう表されたかを理解しやすい。
ユネスコはイェリングを、10世紀のゴーム王とその息子ハーラル青歯王に結び付く王の記念地と説明する一方、王たちの時代より前にさかのぼる可能性にも触れている。二つの墳丘は直径約70メートル、高さは最大約11メートル。教会のそばにあるこれらは、景色を飾るだけの土の丘ではない。規模、配置、刻まれた石碑との関係が、意図的に構成された王家の景観をつくっている。屋外を歴史資料として読み、その後で展示を見れば、考古学的な根拠への理解が深まる。