シチリア西部の尾根に立つセジェスタ神殿は、かつて仕えていた古代都市の遺構から離れてそびえています。淡い石灰岩の列柱はカラタフィーミ=セジェスタ近くの開けた景観に映えますが、建物は完成しませんでした。考古学公園は、正面に6本、側面に各14本の柱を持つドーリア式シケリア様式の周柱神殿と説明しています。柱には溝が刻まれず、内側の神室も完成していません。この未完の状態は見学の欠点ではなく、計画が本来の姿に至る前に中断したことを伝える、最も興味深い証拠です。
公園の解説によれば、工事は紀元前5世紀末の出来事を受けて止まった可能性があります。ただし、これは歴史的な説明であり、建設者の計画を記した完全な記録ではありません。神殿の奉献先や祀られた神格は確定しておらず、独特の形をめぐって複数の解釈があります。アフロディーテ・ウラニアとの関連が語られることもありますが、碑文で確定した事実ではなく一つの説として扱うべきです。現存するものと研究者の推論を分けて見ることが、この建物を丁寧に読む方法です。