チチェン・イッツァは、メキシコのユカタン州ティヌム市にある広大な考古学的都市遺跡だ。名称は一般に「イッツァ人の井戸の口」と訳され、地域の自然水源やこの都市に関係した人々を示す。石灰岩の基盤、地下水、季節ごとの雨が集落の立地を形づくった。遺跡区域は一つのピラミッドだけではない。広場、基壇、神殿、球技場、住居、セノーテなどが大規模な都市・祭祀センターを構成していた。
都市は何世紀にもわたって発展し、北部マヤ低地の有力な中心の一つとなった。ユネスコは、マヤの伝統とメキシコ中央部に結び付く要素が交わった場所としてチチェン・イッツァを紹介する。その融合は建築や図像に見られるが、意味は今も考古学的な解釈の対象である。一方が他方を征服したという単純な物語に還元せず、接触と政治関係の変化を含む歴史として捉える方が正確だ。