について エリア 51
エリア51は、ネバダ州南部のグルーム・レイクそばに実在する、一般立入禁止の米軍試験施設だ。観光施設ではなく、地球外生命体の活動を証明する場所でもない。秘密主義が数々の噂を生んだが、記録で確認できる歴史だけでも十分に興味深い。冷戦期の航空機試験のために選ばれた遠隔の飛行場、地上試験中に偶然離陸した偵察機の試作機、そしてA-12「オックスカート」計画がその一部だ。旅行者が訪ねられるのは、公道やUFO文化に関連する周辺の店であり、基地に入ったり敷地境界を展望公園のように利用したりすることはできない。
グルーム・レイクが試験場になった理由
CIAの歴史記事によると、U-2偵察機を人目につきにくい場所で試験するため、関係者は1955年、グルーム・レイク脇の塩湖跡を選んだ。人里から離れた地形には長い滑走路を設ける余地があり、一般の交通から離れて操縦士を訓練できた。この一帯は第二次世界大戦中、陸軍航空隊の射撃訓練場として使われていた。CIAの記録は、計画チームが滑走路を連邦政府の土地に加える手続きを進め、ここが初期の高高度航空開発の拠点になった経緯を伝えている。
エリア51で最も知られる初飛行は、偶然の出来事から始まった。1955年8月1日、ロッキード社のテストパイロット、トニー・ルヴィエはU-2試作機を高速で地上滑走させていたところ、機体が浮き上がった。意図しない短い飛行の後、彼は機体を着陸させた。CIAはこれをU-2の「非公式な初飛行」としている。数日後の8月4日、ルヴィエは初の正式な飛行試験を行った。後年の神秘的な物語より、この出来事の方が現場の性格をよく示す。新型機が、意図的に隔離された施設で厳しい条件のもと試験されていたのだ。
この場所には複数の呼び名がある。「エリア51」は地図上の区画名に由来する。ロッキードの技術者クラレンス・「ケリー」・ジョンソンは「パラダイス・ランチ」と名付け、職員はやがて「ランチ」と略した。CIAによれば、「ウォータータウン」は雨水が乾いた湖底に流れ込み、ときに水がたまったことにちなむ。「誰かの出身地を記念した」という説とは異なる。「ドリームランド」は周辺の管制空域で使われた無線呼出符号だった。CIAの記事は、エリア51とウォータータウンが公式記録にも登場する一方、後には「ネバダ試験訓練場・グルームレイク」という施設名が優先されるようになったと説明する。
謎の背景にある航空機開発
グルーム・レイクに関係した航空機はU-2だけではない。CIAは、A-12オックスカートの初飛行試験が1962年4月25日に同施設で行われたとしている。高速偵察機として設計されたA-12は、冷戦期の機密計画に属し、その存在と目的は後に機密解除された記録で明らかになった。U-2とオックスカートの歴史は政府機関の記録で裏付けられる。一方、基地に異星人の宇宙船や回収された地球外技術があるという主張は、この記事で参照した資料では確認できない。
珍しい航空機、管理された空域、限られた公開情報が重なり、見慣れない光をUFOと考える人が何十年にもわたって現れた。こうした状況は伝説が広まった背景を説明するが、個々の目撃者が何を見たかまでは証明しない。CIAは公開した歴史資料でグルーム・レイクとU-2計画の関係を認めているものの、現在の活動には機密のままの情報が多い。正確な記事を書くには、機密解除資料で確認できる事実と、推測にとどまる話を分ける必要がある。
この区別は、「エリア51は存在しない場所だ」という古い誤解も正す。施設は今も立入制限区域だが、CIAが公開した歴史記事は場所を特定し、その過去の一部を説明している。公文書や公的な歴史記録を通じて知ることはできても、見学許可を得たことにはならない。現在の基地活動は一般向けの観光プログラムではなく、CIAの記録も異星人の噂を裏付けていない。
旅行者が実際に見られるもの
観光体験は、物語のうち一般に開かれた側にある。州道375号線は「エクストラテレストリアル・ハイウェイ」として公式に宣伝され、ネバダの国家安全保障施設に近い、集落の少ない砂漠地帯を通る。州観光局はレイチェルなどの町や、宇宙人文化を題材にした店を巡るドライブコースとして紹介している。広い砂漠、光害の少ない夜空、記録に残る航空史と沿道の楽しいUFO伝説の対比が魅力であり、エリア51内部のツアーではない。
沿道で最もよく知られる小さな集落がレイチェルだ。食事、燃料、宿泊、土産物を扱う店がある場合もあるが、営業内容や時間は変わる。到着時に必ず開いているとは限らないため、遠回りする前に店へ確認したい。州の観光ルート案内は、ラスベガスから日帰りで急いで往復するより、複数の立ち寄り先を含む旅程として考えることを勧めている。期待は現実的に。基地は道路から見学できる観光施設ではなく、公道脇に停車しても周囲の連邦有地や私有地へ入る権利は生じない。
遠隔地では、宇宙人グッズより事前準備が大切だ。出発前にルート、車の航続距離、天気、店の営業状況を確かめ、水と食料を携行する。携帯電話が常に通じると思わないこと。公道と標識のある停車場所を利用し、車両や家畜に注意し、一般道かどうか分からない未舗装路には入らない。とりわけ、ネット上の案内に従ってゲートへ向かったり、柵を越えたり、警備担当者を至近距離で撮影したり、立入禁止標識を無視したりしてはならない。
エリア51をより正確に知るために
エリア51が人を引き付けるのは、秘密航空の実史と、それを大きく包み込む大衆文化の想像力が交わる場所だからだ。旅程にはエクストラテレストリアル・ハイウェイやレイチェルなど、公開されている立ち寄り先を組み込めるが、基地は立入禁止のままである。出発前に州観光局と現地店舗の情報を確認し、すべての規制を守ろう。事実は飾らなくても魅力的だ。グルーム・レイクではU-2やA-12が試験され、地図や現場の用語から複数の名称が生まれ、長い機密性はいまも公開資料だけでは答えられない問いを残している。