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カサブランカ

カサブランカは通過するだけではもったいない。旧メディナ、ハブース地区、ハッサン2世モスクを巡り、大西洋の港町の歴史を知る。

座標: 33.579025, -7.599792 更新日: 2026-10-03

について カサブランカ

カサブランカはモロッコへの玄関口として通り過ぎられがちだが、国内最大の都市には滞在する価値がある。大西洋に面したこの街には、港や商業大通り、城壁に囲まれた旧市街、20世紀の建築、海辺の壮大なモスクが並ぶ。その現代的な個性は「伝統」と「ヨーロッパ風」という単純な対立では語れない。交易、移住、植民地期の都市計画、そしてモロッコの都市生活が重なり、街を形づくってきた。ひとつの歴史地区だけで全貌を理解しようとせず、時代の異なる場所を巡りたい。

アンファから近代都市へ

カサブランカの歴史は、沿岸の古い集落アンファと結び付けられるが、名前の由来や初期の町の範囲については記録に違いがある。観光・遺産サイト「Visit Casablanca」は旧メディナを歴史の中心と紹介し、その起源を正確に年代決定するのは難しいとする。同サイトによれば、1755年11月の地震で街が被害を受け、スルタン、シディ・ムハンマド・ベン・アブダッラーが1770年頃に再建を命じ、「白い家」を意味するダル・エル・ベイダと名付けた。名称を聖廟に結び付ける地元の話もあるが、確定した史実ではなく伝説として扱うべきだ。

カサブランカは港と商業の中心地として急速に成長し、とりわけ1912年に始まったフランス保護領期に拡大した。古い地区の隣に新しい通りや公共建築が造られ、20世紀初頭の建築家たちはアール・デコの意匠と、モロッコのアーチ、タイル、パティオが隣り合う景観を生み出した。この混在は単なる装飾ではない。植民地支配の複雑さと不均衡、そして仕事や移住を引き寄せる都市の成長を映している。第二次世界大戦中の1943年に連合国首脳が集まったカサブランカ会談によって、街は国際的にも知られるようになった。

旧メディナから歩き始める

旧メディナは港の近くにあり、一般にバブ・マラケシュ門から入る。細い路地、小さな市場、聖廟や城壁の遺構が、近代的な大通りとは異なる街の尺度を感じさせる。Visit Casablancaは、イスラム教徒、ユダヤ人、アマジグ人、ヨーロッパ人のコミュニティが重なった地区と説明し、歴史的な街並みの保存が課題だと指摘する。スクアラの城塞エリアや城壁沿いの小さな店も見どころとして挙げられている。ここは生活が続く地区で、博物館の展示セットではない。敬意を持って歩き、人を撮影する前に許可を求め、住民の日常の通行を妨げないようにしよう。

旧市街からはムハンマド5世広場と中心地区へ歩ける。市の観光サイトは広場を行政の中心地と紹介し、周囲には1920年代の建物が並び、その多くにイスパノ・モーロ様式とアール・デコの影響が見られる。幾何学的なファサード、アーケード、時計塔、日陰の回廊に注目すると、単一の様式に収まらない街の姿が見える。ハブース地区は新メディナとも呼ばれ、アーケードのある通り、書店、工芸品店、食料品店が別の建築の表情を見せる。モロッコの工芸や伝統菓子を探すのに向くが、各店の営業時間は異なり、地区全体の共通スケジュールはない。

ハッサン2世モスクと大西洋岸

最も目を引くランドマークは、海岸に建ち1993年に開かれたハッサン2世モスクだ。広大な礼拝堂、ミナレット、彫刻を施した漆喰、木工、大理石、ゼリージュのモザイクが、現代の技術とモロッコの伝統工芸を結び付けている。ハッサン2世モスク財団は礼拝堂などを案内するガイドツアーを運営しており、内部はいつでも自由に入れる観光施設ではない。財団が現在掲載する見学時間は、土曜から木曜が午前8時、9時、10時、11時と午後2時。金曜は午前8時、9時、10時と午後2時だ。礼拝、宗教行事、公式イベントで変更される場合があるため、出発前に確認したい。

確認時点で財団の英語ページは、外国人の大人140ディルハム、モロッコ居住者と外国人学生70ディルハム、6歳以上の子どもとモロッコ人学生30ディルハム、6歳未満は無料と案内していた。肩、胸、膝が隠れる服装、入場時に靴を脱ぐこと、グループから離れないことも求めている。料金と規則は変更される可能性がある。モスクの外に広がる海辺では、カサブランカと大西洋の関係を感じられる。アイン・ディアブのコルニッシュは昔からのレジャー地区だが、カフェ、ビーチクラブ、各施設の営業時間やルールはそれぞれ異なる。

街を味わうための計画

カサブランカは広いので、主要スポットをすべて徒歩で結ぼうとせず、地区ごとに計画するとよい。ムハンマド5世国際空港と市街地は鉄道で結ばれ、街中の移動にはトラムやタクシーも利用できる。運行状況や駅は当日に確認しよう。モスクは公式ツアーの時間を確認し、余裕を持って到着する。メディナやハブースでは凹凸のある道に備えて歩きやすい靴を選び、宗教施設の近くでは節度ある服装を心掛けたい。人の多い市場では貴重品を管理し、表示の分かりやすい交通手段を選ぶ。

カサブランカは名所のチェックリストとしてではなく、観察する都市として訪れると印象が深まる。朝は旧メディナを歩き、中心地区のファサードを眺め、モスクを訪ね、夕方は海辺へ。そうすれば街の異なる顔が見えてくる。古い概要記事に載った人口や港の順位、全市共通のような営業時間を、日付なしで繰り返さないようにしたい。街は変化し、実用情報は施設ごとに異なる。ツアー、交通、臨時休業は公式発表を確認する。