について Plaza de Armas Arequipa
アレキパ歴史地区:白い街の世界遺産を歩いて巡る
アレキパ歴史地区は徒歩で巡るのがおすすめだ。まずアルマス広場に立つと、回廊の向こうに大聖堂と街の日常が広がる。地区で目にする白や淡い桃色の石はシジャールと呼ばれる火山岩で、アレキパが「白い街」と呼ばれる理由の一つである。ただし、植民地時代の建物を並べた絵はがきのような場所とだけ捉えるのは不十分だ。ユネスコは、ヨーロッパの設計と先住民の建築技術が出会った都市として紹介する。長い居住の歴史を持つ谷に築かれ、地震にも繰り返し向き合ってきた景観である。
アレキパは1540年にスペイン人によって創建されたが、その谷ではそれ以前から農耕が盛んだった。世界遺産の範囲には、スペイン人による当初の街区49区画に加え、植民地時代と19世紀の24区画が含まれる。保護区域の面積は166.52ヘクタールだ。この数字からも、見学を広場だけで終えるべきではないことがわかる。歴史地区は、道路、宗教施設群、中庭、橋、住宅がつながる都市景観であり、単独の記念建造物ではない。
シジャール、地震、土地に根差した建築
シジャールは明るい色の火山岩で、切り出しや彫刻に適している。アレキパの建築では、厚い壁、アーチ、回廊、ヴォールトに用いられ、精緻なファサード彫刻も可能にした。ユネスコは、ヨーロッパと先住民の技術が組み合わさり、植民地時代の建築家、地元の石工、先住民の職人の仕事が表れていると説明する。外から持ち込まれた様式を一様に再現したのではなく、地域の働き手、材料、環境への適応が形づくった都市の表現だ。
地震も建築史の一部である。各時代の揺れによって建物が損傷し、再建が繰り返されたため、地区には異なる時代の層が残っている。ユネスコは、創建期、バロック様式の発展、ロココや新古典主義の影響、近年の設計といった複数の時期を示している。厚い石積み、アーチ、ヴォールトは不安定な地盤への実用的な対応であると同時に、街並みの特徴にもなった。歩く際は、一枚ずつのファサード写真だけでなく、壁の厚み、中庭への開口、彫刻された入口の関係を見てみたい。
広場と市内の主な見どころ
アルマス広場は歴史地区の中心だ。回廊、市庁舎、大聖堂が、アレキパの公共生活と宗教生活を凝縮して伝える。広場の角にあるラ・コンパーニャ教会と回廊は、18世紀後半の「メスティーソ・バロック」を代表する建築群の一つである。広場から見える大聖堂は、現在の姿が19世紀のものだ。広場とその縁辺を見渡すと、宗教施設、行政、日々の商業が公共空間のなかで結び付いていることがわかる。
広場の先には、16世紀から19世紀の様式を伝える大規模なサンタ・カタリナ修道院がある。サン・フランシスコの複合施設は、小広場、教会、修道院、回廊で構成される。サント・ドミンゴなどの教会や修道院も、散策に別の時代の景色を加える。各施設の管理者、入場条件、開館時間はそれぞれ異なる。同じ世界遺産地区にあるからといって、共通の時間割で運営されていると考えてはいけない。
カソナと呼ばれる歴史的邸宅も見逃せない。ユネスコは地区内に約500軒を記録しており、多くは大きな門や通路の奥に中庭を配した造りだ。私邸として使われ続けるのではなく、修復後に文化施設や行政機関となった建物もある。昔ながらの住居の間取りが残る邸宅で、博物館や文化施設、公的機関に出会うこともあるだろう。内部見学を計画する際は、各施設の最新の入場条件を確認したい。
歩いて巡るための計画
アルマス広場から始めて回廊を眺め、その後は周辺の通りをゆっくり歩こう。広場は屋外の公共空間だが、周辺の教会、博物館、修復された邸宅は別々の施設であり、入場料が必要だったり、見学範囲が限られたりする。ユネスコの登録対象は都市景観全体で、単一の入場券がある施設ではない。そのため歴史地区全体に共通の見学時間はない。宗教行事の日や修復工事中は、各施設に直接最新情報を確認してほしい。
石畳の道では歩きやすい靴が役立つ。日差しが強く標高も高いため、水と日焼け対策も用意しよう。交通量の多い道路を渡る際は注意し、私有の中庭や宗教行事中の場所を示す案内にも従いたい。滞在が短ければ、広場と一、二か所の内部見学を優先し、すべての名所を急いで回らなくてもよい。時間に余裕があれば、中庭やファサードの変化をたどってサン・ラサロ地区へ。近くに残る先住民集落の街区構成は、アレキパの歴史がスペイン人の創建より前に始まっていたことを思い起こさせる。
ユネスコは2000年にアレキパ市歴史地区を世界遺産に登録し、公共空間は国の文化遺産当局と連携して市が管理すると説明している。範囲、建築、遺産価値の背景は、ユネスコ公式ページで確認できる。この地区の魅力は石材と都市生活の結び付きにある。広場はよい出発点だが、中庭、教会、通り、火山に囲まれた景観を歩いてこそ、アレキパが写真映えする白い建物の集まり以上の街だとわかる。