について U.S. バンク・スタジアム
変化するミネアポリス中心部に生まれたスタジアム
ミネアポリス中心部の縁に建つU.S.バンク・スタジアムは、ミネソタ・バイキングスの本拠地であるだけでなく、年間を通じて多様な催しを行う施設だ。住所は401 Chicago Avenue。East Town地区に位置し、業務地区やライトレール網にも近い。会場は、2013年に閉場したヒューバート・H・ハンフリー・メトロドームの跡地に建てられた。建て替えは単なるフットボール場の更新ではない。2012年、ミネソタ州議会とミネアポリス市議会が9億7,500万ドルの資金計画を承認した公共事業だった。
ミネソタ・スポーツ施設局、バイキングス、建築設計事務所HKSは2013年に計画を発表した。工期は2年半余りで、2016年7月22日に開場。スタジアムの公式沿革によれば、最初の週末に設けられた一般公開日には州民19万人以上が訪れた。北部の都市では屋外会場が一年中使えるわけではない。大勢の来場は、季節を問わず人が集まれる場所を市街地につくるという構想を映している。
この場所には、ミネソタ州のフットボール会場が移ってきた歴史も刻まれる。バイキングスは1982年からメトロドームでプレーし、閉場後の建設期間中はミネソタ大学のTCFバンク・スタジアムを2シーズン利用した。それ以前の本拠地、ブルーミントンのメトロポリタン・スタジアム跡地には、後にモール・オブ・アメリカが建った。現在の都心スタジアムは、プロスポーツと都市圏の変化をつなぎ、郊外へ車で向かうだけではない訪問体験を生み出している。
空を視界に残す固定屋根
建物の最も目立つ特徴は固定屋根で、構造の約60%を透明なETFEパネルが占める。スタジアムによると、軽量のポリマー膜が自然光を取り入れ、空調の効いた室内から空を見せる。ここは屋外競技場ではなく、建物は閉じたままだ。それでも屋根から届く光によって、観客席の上の大空間の印象は変わる。晴れた日には、天候にさらされずに外の光を感じられる設計だ。
この設計には、見た目だけでなく実用上の理由がある。ミネアポリスの冬は厳しく、会場では一年を通してフットボール、コンサート、大学スポーツなどが行われる。固定屋根は観客を風雨から守り、半透明のパネルや広いガラス面は内部が窓のない箱のように見えるのを防ぐ。屋根は装飾ではなく、建物の使われ方に深く関わる仕組みである。
環境性能も公式に紹介されている。2017年に設計・建設分野でLEEDゴールド、2019年には既存建物の運営・維持管理分野でLEEDプラチナを取得した。後者はその評価区分の最高ランクだ。二つの認証が対象とする段階は異なり、最初は設計と施工、次は継続的な施設運営に関するもの。スタジアムは省エネや廃棄物の分別も報告しているが、認証が大規模施設の環境負荷ゼロを意味するわけではない。
開場イベントから全国規模の舞台へ
開場時の催しは、複数の競技や用途を受け入れる計画を早くから示した。最初のイベントは2016年8月3日のインターナショナル・チャンピオンズ・カップ、ACミラン対チェルシー戦。8月19日にはルーク・ブライアンが初のコンサートを開き、翌晩にはメタリカが出演した。バイキングスのレギュラーシーズン初勝利は、同年9月18日のグリーンベイ・パッカーズ戦で、公式沿革に17対14と記録されている。
その後もU.S.バンク・スタジアムは全米規模のイベントを迎えてきた。2018年2月4日に第52回スーパーボウル、2019年にはNCAA男子バスケットボールのファイナルフォーが開催された。コンサート、家族向けショー、大学競技、貸切イベントなどにも使われる。実際に何を見学できるかは公式イベントカレンダーで確かめたい。催しによって施設の開放範囲、チケット、安全対策、交通が変わるため、一般ツアーと試合・コンサートの入場券は別のものだ。
ツアーでは、試合中継の画面には映りにくい裏側の空間も見られる。スタジアムのアートコレクション、プレミアムクラブ、フィールドエリア、インタビュールーム、記者席などがルートに含まれることがある。ただし、会場の運営状況に応じて経路は毎日変わり、全ての場所を見られる保証はない。静的な観光名所というより、競技場と稼働中のイベント施設の両面から見ると、その規模や役割が伝わってくる。
見学前にツアーと交通を確認
一般向けガイドツアーは公式販売パートナーを通じて販売され、事前購入が推奨されている。スタジアムのツアー案内は現在、90分の一般ツアーを水曜から日曜に実施と記載する一方、同じ公式サイトのFAQは木曜から日曜としている。どちらもイベントによる休止日があると説明しているため、希望日の最新カレンダーを確認しよう。バイキングスのロッカールーム、Legacy Ship、館内美術、クラブやスイート、フィールド、インタビュールーム、記者席などを見られる場合があるが、ルートは当日の運営次第だ。
開始予定時刻の5分前には到着したい。公式規定ではツアーは定刻に始まり、10分を超えて遅れた場合は入場を断られることがある。歩きやすい靴も勧められている。ツアーはアクセシブルとされ、車いすは事前申請できるが、数には限りがある。支援が必要な場合は早めに担当部署へ連絡すること。ツアー代にイベント券や駐車料金は含まれず、スタジアムは公共駐車場を直接運営していないため、当日の案内を確認しておこう。
所在地はミネソタ州ミネアポリス、Chicago Avenue 401、郵便番号55415。Metro Transitのブルー線とグリーン線は、スタジアムのすぐ外にあるU.S. Bank Stadium駅に停車するため、公共交通機関が便利だ。試合やコンサートに行く場合は、イベント日程、手荷物規定、交通機関のお知らせを出発前に確認したい。ツアー予約、イベント券、一般の入場権はそれぞれ異なる。事前に一つずつ確認すれば、閉まった入口に着く心配を減らせる。