ルーマニア南東部、アダムクリシ村の近くにあるトラヤヌス記念碑(Tropaeum Traiani)は、単独の建築としてではなく、複数の場所から成る考古学複合体として見ると理解しやすい。高原に立つ勝利記念碑、ローマ都市の遺跡、村の中心にある博物館が一体を構成する。各地点は離れているため、屋外の碑だけを見ると都市の背景や、建設を物語る出土品を見落としてしまう。
コンスタンツァ国立歴史考古学博物館(MINAC)によれば、記念碑はアダムクリシの北東、村から脇道を約1.5キロ進んだ場所にある。城塞遺跡は記念碑の南西、博物館は村中心部のムゼウルイ通り15番地に位置する。コンスタンツァからアダムクリシまではDN3経由で道路距離約63キロと案内されている。計画に役立つ数字だが、三地点が隣接していることや、観光用シャトルで結ばれていることを意味しない。